「キャッシュレス決済を導入したいけど、デメリットが気になる」という個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
2024年現在、日本のキャッシュレス決済比率は42.8%に達しており、店舗選びの要因の一つとなっています。キャッシュレス決済を優先的に利用する消費者が増えており、現金のみの店舗は一部のお客様層を取りこぼす可能性があります。
しかし、個人事業主にとってキャッシュレス決済の導入は、そう簡単な話ではありません。「決済手数料で利益が減る」「入金が遅くて資金繰りが大変」といった声は、実際に多くの個人事業主から聞かれる悩みです。
この記事では、個人事業主がキャッシュレス決済を導入する際のデメリットについて、実際の数値データを交えながら徹底解説していきます。さらに、それぞれのデメリットに対する現実的な対処法や、デメリットを最小化できるサービスの選び方についても詳しく紹介していきます。
個人事業主がキャッシュレス決済を導入する主な6つのデメリット
まず最初に、個人事業主がキャッシュレス決済を導入する際に直面する6つのデメリットを整理してみましょう。
- 決済手数料が利益を圧迫する – 売上の1.98%~3.24%が手数料として引かれる
- 入金サイクルによるキャッシュフローへの影響 – 現金化まで数日から数週間かかる
- 初期費用と導入コストの負担 – 端末購入や通信環境整備に費用がかかる
- 現金管理業務が完全にはなくならない – キャッシュレスと現金の二重管理
- 端末故障時のリスクと対応 – 修理・交換費用と決済停止期間の発生
- 会計業務の複雑化 – 複数決済手段の管理と売上データの統合
大企業とは異なり、資金力や人員が限られる個人事業主にとって、これらは経営を左右する重要な要素となります。
それでは、それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。ここでは各デメリットに対する対処法も併せて解説していきます。
決済手数料が利益を圧迫する
キャッシュレス決済を導入して最初に実感するのが、決済手数料の重さです。
現金決済であれば、1万円の売上はそのまま1万円として手元に残ります。しかし、キャッシュレス決済では、決済手数料がかかります。
手数料の実態を数字で見てみよう
日本国内の主要なキャッシュレス決済サービスの手数料率は、1.98%から3.24%が一般的です。
例えば、stera packの場合を見てみましょう。
stera packの決済手数料
- VISAやMastercard:1.98%~2.70%※
- JCBやAmerican Express:2.48%~3.24%※
- その他の決済手段:3.24%
※プランによって料率に違いがあります。
「たった2~3%くらい」と思われるかもしれませんが、これを月商で計算してみると、その影響の大きさが分かります。
例えば、月商100万円の個人飲食店がすべてキャッシュレス決済で売上を受け付けた場合、月額2万円から3万円が手数料として差し引かれることになります。年間では24万円から36万円です。個人事業主にとって、これは決して小さな金額ではありません。
決済手数料への具体的な対処法
この手数料負担を軽減する方法はいくつかあります。
手数料率の低い決済サービスを選ぶことが最も重要です。現在、多くの決済サービスが中小事業者向けの特別プランを提供しており、通常よりも低い手数料率で利用できるケースが増えています。
また、手数料分を商品価格に適切に転嫁することも検討すべきでしょう。ただし、競合他社との価格競争力を考慮する必要があるため、慎重な判断が求められます。
さらに、手数料率の低い決済手段から段階的に導入していくという方法も有効です。まずは手数料率の低いクレジットカード決済(1.98%~)がおすすめです。また、QRコード決済でシェア率の高いPayPayは、直接契約することで手数料1.60~1.98%で利用できます。
電子マネーやQRコード決済は、導入後のお客様ニーズを見ながら追加で対応を検討することで、初期の手数料負担を抑えることができます。
入金サイクルによるキャッシュフローへの影響
決済手数料と並んで個人事業主を悩ませるのが、入金サイクルです。
現金決済の場合、売上はその日のうちに手元に入ります。しかし、キャッシュレス決済の売上は、後日指定口座に振り込まれるため、手元に入るまで時間がかかります。
例えば、「月末締め、翌月末払い」のサービスを使っている場合、月初から月末までの売上100万円が口座に振り込まれるのは翌月末です。その間にも、仕入れ代金、家賃、人件費、光熱費などの支払いは発生します。
「売上はあるのに手元に現金がない」状況が続くと、最悪の場合は「黒字倒産」に至ることもあります。
入金サイクルの実態を見てみよう
では、実際に各決済サービスの入金サイクルはどのようになっているのでしょうか。ここでは具体例として決済サービス3社を比較してみましょう。
決済サービス | 入金サイクル | 公式サイト |
---|---|---|
stera pack![]() |
|
お申し込みはこちら |
Square![]() |
|
お申し込みはこちら |
PayPay![]() |
月1回※最短翌日入金の早期振込サービスあり |
お申し込みはこちら |
最も入金が早いのはSquareで、三井住友銀行やみずほ銀行を利用していれば翌営業日入金が可能です。つまり、今日売れた分が明日には口座に入るという、ほぼ現金と同じ感覚で使えるスピードです。
stera packも優秀で最短で決済の翌々営業日に入金されます。
一方で、PayPayを直接契約する場合、月1回入金は要注意です。月末までの売上が翌月1日(PayPay銀行以外は毎月翌々営業日)に入金されるため、最大で約1ヶ月近く売上金を待たなければなりません。
ただし、PayPayには早期振込サービスがあり、別途手数料を支払えば最短翌日に入金させることも可能です。
入金サイクルへの具体的な対処法
入金サイクルによるキャッシュフロー問題を解決するには、いくつかのアプローチがあります。
最も直接的な解決策は、入金サイクルが早いサービスを選ぶことです。前述の通り、stera packやSquare
といった入金サイクルの早いものを選べば、現金に近い感覚で資金管理が可能になります。
次に考えるべきは、運転資金の確保です。キャッシュレス決済を導入する前に、翌月以降の固定費を支払えるだけの資金を用意しておくことが望ましいでしょう。
また、複数の決済サービスを組み合わせることも有効です。例えば、クレジットカードはstera pack、PayPay
決済は直接契約して手数料を抑えるうなど、入金タイミングを分散させることでキャッシュフローを安定させることができます。
初期費用と導入コストの負担
キャッシュレス決済を始めるには、決済端末の購入や導入準備にコストがかかります。
個人事業主にとって、この初期投資は大きな負担となることがあります。特に開業したばかりで資金に余裕がない場合、数万円の出費でも経営を圧迫する可能性があります。
端末購入費用の実態
決済端末の価格はサービスや端末の種類によって大きく異なります。
主要サービスの端末価格を見てみましょう。
決済サービス | 初期費用 | 公式サイト |
---|---|---|
stera pack![]() |
無料 |
お申し込みはこちら |
Square![]() |
無料※決済端末が必要な場合は4,980円~ |
お申し込みはこちら |
PAYGATE![]() |
無料 |
お申し込みはこちら |
![]() |
無料 |
お申し込みはこちら |
Airペイ![]() |
無料※iPadまたはiPhoneは加盟店負担 |
お申し込みはこちら |
PayPay![]() |
無料 |
お申し込みはこちら |
Squareを除くサービスでは初期費用0円で始められるものがほとんどです。ただし、Airペイ
やstera tap
ではスマホやタブレットが必要で加盟店側で用意する必要があります。
導入時に抑えておくべき付帯費用
キャッシュレス決済は長期的に運用するため、初期費用だけでなく運用時にかかる費用も考慮する必要があります。
初期費用が0円であっても月額サービス利用料がかかったり、保証期間終了後に端末が故障した場合は自己負担で買い替えが必要になるサービスもあります。
各サービスの利用にかかる費用を以下にまとめました。
決済サービス | 初期費用 | 月額利用料 | 決済手数料 | 入金手数料 | 保証期間 | 保証期間外の交換費用 | 公式サイト |
---|---|---|---|---|---|---|---|
stera pack![]() |
無料 | 初年度 月額0円(2年目以降 通常3300円※条件付き無料)※初年度は無料※2年目以降は、直近1年間の累計決済額が3,000万円以上の場合は永年無料 | 1.98%~3.24% | 三井住友銀行は無料※他行は1回辺り220円 | 契約中は何度でも修理・交換無料 | 無料 |
お申し込みはこちら |
Square![]() |
無料※決済端末が必要な場合は4,980円~ | 無料 | 2.50%~3.25%※カード情報手入力・オンライン決済は3.60~3.75% | 無料 | 注文日から1年間※Square Registerのみ注文日から2年間 |
|
お申し込みはこちら |
PAYGATE![]() |
無料 | 3300円/月※条件により月額0円での提供も可 | 1.98%~※標準プラン:カード決済2.90%~ | 無料 | 決済端末の到着から12ヶ月以内 | 39,600円 |
お申し込みはこちら |
![]() |
無料 | 無料 | 1.98%~3.24% | 三井住友銀行は無料※他行は1回辺り220円 | –※専用端末の提供がないため、保証の概念がない | – |
お申し込みはこちら |
Airペイ![]() |
無料※iPadまたはiPhoneは加盟店負担 | 無料 | 2.48%~3.24%※COIN+は0.99% | 無料 | 受取月を含む6ヶ月以内 | 20,167円 |
お申し込みはこちら |
PayPay![]() |
無料 | 無料※月額プラン加入時は1980円(税別)/月 | 1.60%~1.98% | 無料 | – | – |
お申し込みはこちら |
月額費用がかかるサービスは、無料のものより決済手数料が安く設定されている場合が多いです。例えば、stera packは月額3,300円(初年度無料)がかかりますが、決済手数料が1.98%~と低く設定されています。月間カード決済額が約66万円以上あれば、月額無料のSquare
やAirペイ
よりも総コストを抑えられます。
また、端末の故障対応についても各サービスで異なります。stera packは契約中であれば端末故障時の交換が無料ですが、Square
は保証期間1年間のみとなっています。ただし、Square
は端末代が4,980円~と安価なため、保証期間終了後も買い替えしやすいというメリットがあります。
自店舗の月間決済額や利用頻度、必要な機能を考慮して、最適なサービスを選びましょう。
コストを抑える具体的な対処法
単純に初期費用を抑えるなら、導入時に端末が無料提供されるサービスを選べば良いでしょう。しかし、コストを最小限に抑えるには、月額費用や端末故障時の買い替え費用、決済手数料などトータルコストで判断することが重要です。
トータル費用でおすすめのサービスを以下にまとめました。
月間カード決済額が多い店舗(66万円以上)
- stera pack
:初期費用0円、月額3,300円(初年度無料)。決済手数料が1.98%~と安く、契約中の端末故障は無料交換対応。月間カード決済額が約66万円以上あれば、月額無料サービスよりも総コストを抑えられます。2年目以降も、直近1年間の決済総額3,000万円以上なら月額費用が永年無料になります。
決済額が小さい店舗や不定期利用
上記4つのサービスは、契約の縛りがなく、気に入らなければいつでも解約できます。例えば、stera packなら解約申請から45日以内に正常な状態で端末を返却すれば違約金はかかりませんし、Square
は端末注文から30日以内なら使用後でも無料返品対応してくれます。
実際に使い勝手を試せるので、キャッシュレス決済の導入にお悩みの個人事業主にとって魅力的です。
現金管理業務が完全にはなくならない
「キャッシュレス決済を導入すれば、現金管理から解放される」と期待していた個人事業主が導入後に直面する現実があります。それは、現金管理業務が完全にはなくならないということです。
日本のキャッシュレス決済比率は42.8%ということは、裏を返せばまだ約60%近くの決済が現金で行われているということです。
現金管理業務の負担は軽減できる
キャッシュレス決済を導入しても、現金決済が約60%残っている以上、現金管理業務が完全になくなるわけではありません。しかし、キャッシュレス決済の割合が増えるほど、現金管理の負担は確実に軽減されます。
例えば、1日100件の会計のうち40件がキャッシュレス決済になれば、現金を扱う回数が40%減ります。つり銭の準備も少なくて済み、レジ締めでカウントする現金も減少します。現金の取り扱いミスや紛失のリスクも下がります。
さらに、POSレジシステムとの連携を活用すれば、現金とキャッシュレスの売上を一元管理でき、レジ締め作業も大幅に効率化できます。
完全にゼロにはできなくても、キャッシュレス決済の導入は確実に現金管理の負担を減らす効果があるのです。
端末故障時のリスクと対応
決済端末は精密な電子機器です。
日々の使用で落下、水濡れ、バッテリー劣化などで故障するリスクがあります。
混雑する時間帯に突然端末が動かなくなった場合、キャッシュレス決済を希望するお客様に対応できなくなります。現金を持っていないお客様は購入を諦めるか、他の店に行くことになり、売上機会の損失だけでなく、お客様の信頼も失うことにつながります。
また、保証期間を過ぎての故障は加盟店負担で端末を買い替える必要があります。導入の際に保証範囲や期間を確認しておきましょう。
各サービスの保証対応について見てみよう
保証期間や対応内容はサービスによって大きく異なります。「導入時に押さえておくべき付帯費用」でも解説しましたが、ここでは保証期間と保証終了後の費用に絞って各サービスについてまとめました。
決済サービス | 保証期間 | 保証期間外の交換費用 | 公式サイト |
---|---|---|---|
stera pack![]() |
契約中は何度でも修理・交換無料 | 無料 |
お申し込みはこちら |
Square![]() |
注文日から1年間※Square Registerのみ注文日から2年間 |
|
お申し込みはこちら |
PAYGATE![]() |
決済端末の到着から12ヶ月以内 | 39,600円 |
お申し込みはこちら |
![]() |
–※専用端末の提供がないため、保証の概念がない | – |
お申し込みはこちら |
Airペイ![]() |
受取月を含む6ヶ月以内 | 20,167円 |
お申し込みはこちら |
PayPay![]() |
– | – |
お申し込みはこちら |
AirペイやPAYGATE
では導入時に端末を無料提供されますが、保証期間は6か月~1年です。保証期間終了後の故障時には、加盟店負担で2~4万円程度の再購入が必要になります。
一方、stera packでは契約中は故障時に無料交換対応してくれるため、長期的に安心して利用できます。Square
が提供するSquareリーダーは端末価格が4,980円と安価なので、保証期間終了後も買い替え負担が少なくて済みます。
また、手持ちのスマホを決済端末として使うstera tapや、PayPay
と直接契約して提供されるQRコードは専用端末不要で利用できるため、端末故障のリスク自体がありません。
端末故障時の具体的な対処法
端末故障のリスクをゼロにすることはできませんが、最小化する方法はあります。
まず重要なのは、保証期間が長いサービスを選ぶことです。stera packのように契約中は故障時に無料交換対応してくれるサービスなら、長期的に安心して利用できます。
ただし、保証対応で端末を交換する場合でも、交換端末が届くまでの数日間は決済を受け付けられなくなります。そのため、端末交換期間中も決済を受け付けられるよう、予備の決済手段を用意しておくことをおすすめします。
SquareのSquareリーダーは端末価格が4,980円と安価なため、予備端末としても導入しやすいです。さらにSquare
では「スマホでタッチ決済」機能を提供しており、専用端末なしでもスマホ自体を決済端末として利用できます。stera tap
も同様に、スマホ自体を決済端末として利用可能です。
どちらも月額費用などの維持費がかからないため、予めアカウント登録だけ済ませておけば、緊急時にすぐ使える予備の決済手段として機能します。
会計業務の複雑化
キャッシュレス決済の導入により、個人事業主の会計業務が複雑化することも見逃せないデメリットです。
各決済サービスの操作自体は基本的に直感的で簡単です。しかし、複数の決済サービスを併用する場合(例:カード決済はstera pack、PayPay
決済はQRコード)には、決済手段ごとに操作手順が異なるため注意が必要です。特にPayPayのようなQRコード決済では、お客様自身が金額を入力するため、誤りがないか確認する手間が発生します。
従業員を雇用している場合は、スタッフ教育も必要です。特にPOSレジとの連携がない場合、POSレジと決済端末の両方に金額を入力する二度打ち作業が必要になり、ミスの原因となります。
会計業務の複雑化を避ける対処法
最も効果的なのは、POSレジシステムとの連携です。
既にPOSレジを導入している場合は、そのPOSレジと連携できるキャッシュレス決済サービスを選びましょう。二度打ち作業が不要になり、売上データも自動で一元管理されます。各サービスのPOSレジ機能と連携対応状況は以下の通りです。
決済サービス | POSレジ機能 | 連携できるPOSレジ | 公式サイト |
---|---|---|---|
stera pack![]() |
|
|
お申し込みはこちら |
Square![]() |
|
|
お申し込みはこちら |
PAYGATE![]() |
| スマレジ |
お申し込みはこちら |
![]() |
なし | なし |
お申し込みはこちら |
Airペイ![]() |
外部のPOSレジと連携可 | Airレジ |
お申し込みはこちら |
PayPay![]() |
なし | なし |
お申し込みはこちら |
stera packでは既存POSレジとの個別連携開発に対応しているため、現在利用中のPOSレジと連携できる可能性があります。
まだPOSレジを導入していない場合は、キャッシュレス決済と同時にPOSレジの導入も検討しましょう。Squareでは決済処理をSquare POSレジアプリを通じて行いますが、このアプリには高機能なPOSレジ機能も備わっています。月額無料で利用できるため、POSレジ未導入の個人事業主にはおすすめです。
それでも導入すべき?キャッシュレス決済のメリット
ここまで多くのデメリットを見てきましたが、それでもキャッシュレス決済には導入する価値のあるメリットがあります。
- 販売機会の拡大
- 現金のみの店舗を避ける顧客層の取り込みや、ポイントキャンペーンによる新規顧客獲得
- インバウンド需要の取り込み
- 外国人観光客は現金の持ち合わせに限りがあるため、キャッシュレス対応が重要
- 会計単価アップ
- キャッシュレス決済は現金払いに比べて心理的支払いハードルが低く、客単価が上がる傾向がある
- レジ業務の効率化
- 現金管理の手間削減と会計ミスの防止
- 釣り銭切れの心配がない
- 両替の手間や釣り銭不足で営業に支障が出るリスクがなくなる
- お客様満足度の向上
- 支払い方法の選択肢拡大による利便性向上
販売機会の拡大
最も大きなメリットは、販売機会の拡大です。
キャッシュレス決済を導入することで、「現金を持っていない」「ATMに行くのが面倒」といった理由で購入を諦めていた顧客層を取り込むことができます。手持ちの現金以上の買い物が可能になることで、購買意欲を後押しする効果もあります。
また、PayPayなどのQRコード決済では大規模なポイントキャンペーンが定期的に実施されます。これらのキャンペーンは決済サービス側が原資を負担するため、店舗側は別途費用を負担することなく新規顧客の獲得につながります。
さらに、インターネット上のGoogleマップやグルメサイトなどで「キャッシュレス対応」として露出が拡大し、検索される機会も増えます。
インバウンド需要の取り込み
観光地や都市部の店舗にとって、外国人観光客は重要な顧客層です。
外国人観光客は日本円の現金を大量に持ち歩かない傾向があります。両替の機会が限られていることや、慣れない通貨を大量に持ち歩くリスクを避けたいという理由からです。そのため、キャッシュレス決済に対応していない店舗は、インバウンド需要を取りこぼしてしまう可能性があります。
欧米からの観光客にはクレジットカードやタッチ決済が一般的ですが、中国や韓国からの観光客はAlipayやKakaopayなどのQRコード決済を利用する傾向があります。主要な訪日客層に合わせた決済手段を導入することで、外国人観光客にとって利用しやすい店舗になります。
観光客が増加傾向にある地域では、キャッシュレス決済への対応が売上拡大の重要な要素となります。
会計単価アップ
キャッシュレス決済の導入は、客単価の向上にもつながります。
現金払いの場合、顧客は財布の中身を意識して購入を控える傾向がありますが、キャッシュレス決済では手持ちの現金を気にする必要がありません。そのため、心理的な支払いハードルが低くなります。「あと少しで予算オーバーだからやめておこう」という判断が減り、追加購入や単価の高い商品の選択につながりやすくなります。
また、クレジットカードやQRコード決済ではポイント還元があるため、「ポイントが貯まるなら」という理由で購入を後押しする効果もあります。
実際に、キャッシュレス決済を導入した店舗の多くで、平均客単価の上昇が報告されています。特に飲食店や小売店では、この効果が顕著に現れる傾向があります。
レジ業務の効率化
レジ業務の効率化も見逃せないメリットです。
JCBが行った実証実験によると、キャッシュレス決済は現金決済よりも平均16秒速く、特に非接触型決済では20秒も速いことが明らかになっています。1日に100件の会計がある店舗で計算すると、キャッシュレス決済の比率が高まることで、1日あたり約27分の時間削減が可能になります。
現金の受け渡しやお釣りの計算が不要になることで、レジでの待ち時間が大幅に短縮されます。これは顧客満足度の向上にもつながります。
また、お釣りの渡し間違いによるトラブルもなくなり、レジ締めで金額が合わないという悩みからも解放されます。閉店後に時間をかけていたレジ締め作業も、キャッシュレス決済の比率が高まることで大幅に短縮できます。
釣り銭切れの心配がない
現金商売では、釣り銭の管理が意外と大きな負担になります。
営業前に銀行で両替をする手間や、両替手数料の負担があります。特に週末や祝日前は銀行が閉まっているため、釣り銭が不足すると営業に支障が出る可能性もあります。1万円札ばかりが続いて小銭が底をついたり、逆に小銭が溜まりすぎてレジが重くなったりと、現金管理には常に気を配る必要があります。
キャッシュレス決済の比率が高まることで、釣り銭管理の手間が大幅に軽減されます。両替のために銀行に行く回数も減り、時間的なコストも削減できます。
特に小規模な個人事業主にとって、この「釣り銭を気にしなくて良い」というメリットは、日々の営業における精神的な負担の軽減にもつながります。
お客様満足度の向上
お客様満足度の向上という側面も重要です。
「カードは使えますか?」という質問に「はい」と答えられることで、お客様に安心感を与えられます。特に高額商品を扱う店舗では、「現金を持ち歩きたくない」というお客様のニーズに応えることができます。
また、会計スピードが向上し待ち時間が減るため、急いでいるお客様にストレスを感じさせることなく、リピート率の向上にもつながります。
さらに、支払い方法の選択肢が増えることで、お客様一人ひとりの好みに合わせた決済が可能になります。この柔軟性が、お客様にとって「利用しやすい店舗」という好印象を与えます。
個人事業主におすすめのキャッシュレス決済サービス6選
デメリットを理解した上で、個人事業主におすすめの決済サービスを紹介します。
各サービスのデメリット対策となる特徴を中心に解説していきます。
開催中のキャンペーン・お得情報
詳細情報
基本情報
- スモールビジネスプラン:初年度 月額0円(2年目以降 通常3300円)
- スタンダードプラン:初年度 月額0円(2年目以降 通常3300円)
- スモールビジネスプラン:1.98%~3.24%
- スタンダードプラン:2.70%~3.24%
- ※他行は1回辺り220円
- 毎日締め・2営業日後払い
- 月6回締め・2営業日後払い
- 月2回締め・2営業日後払い
- 月2回締め・15日後払い
- ※任意で選択可
- ※一部の業種・取り扱い商材は月2回締め15日後払い
- ※端末返却ができない場合は利用期間に応じて違約金あり
決済ブランド・決済手数料













入金サイクル・運用・サポート
- 毎日締め・2営業日後払い
- 月6回締め・2営業日後払い
- 月2回締め・2営業日後払い
- 月2回締め・15日後払い
- ※任意で選択可
- ※一部の業種・取り扱い商材は月2回締め15日後払い
- ※他行は1回辺り220円
機能・外部サービス連携
- ※上記以外のPOSレジをご利用の場合でも、個別の連携開発により対応できる可能性があります。
端末情報

stera terminal
Squareの口コミ
お客様のお席で決済出来るので、お互いに安心出来る。導入もしやすいし、操作も簡単なので経営者の方にも紹介しやすい。
スタンドタイプを使用しており、決済端末とディスプレイが一体型なっているところが使いやすい。お客様からも喜ばれる。
専用のリーダーがいらないので、充電切れの心配もない。スマホ一台で完結するところ。サインが不必要になったのもうれしい。
詳細情報
基本情報
- ※決済端末が必要な場合は4,980円~
- 中小企業プラン:無料
- 大型店プラン:無料
- 中小企業プラン:2.50%~3.25%
- 大型店プラン:~3.25%
- 三井住友、みずほ銀行は翌営業日
- その他の金融機関は週1回
- ※週1回入金=毎週木~翌週水曜日までの売上が翌週金曜日に入金
決済ブランド・決済手数料









入金サイクル・運用・サポート
- 三井住友、みずほ銀行は翌営業日
- その他の金融機関は週1回
- ※週1回入金=毎週木~翌週水曜日までの売上が翌週金曜日に入金
- ※Square Registerのみ注文日から2年間
- Squareリーダー:4,980円
- Squareスタンド:29,980円
- Squareターミナル:39,980円
- Squareレジスター:84,980円
機能・外部サービス連携
- ※磁気カードの読み取りは「Squareターミナル」「Squareレジスター」のみ可能
- ※お客さま側での金額入力は不要
端末情報

スマホでタッチ決済
- ※スマホは加盟店が用意
- ※専用端末の提供がないため、保証の概念がない

Square Reader
- ※スマホまたはタブレットは加盟店側で用意
- 注文日から1年間
- 注文から30日以内なら使用後で無料返品可

Square Terminal
- 注文日から1年間
- 注文から30日以内なら使用後で無料返品可

Square Stand
- ※iPadは加盟店側で用意
- 注文日から1年間
- 注文から30日以内なら使用後で無料返品可

Square Register
- 注文日から2年間
- 注文から30日以内なら使用後で無料返品可
開催中のキャンペーン・お得情報
詳細情報
基本情報
- 中小事業者向けプラン:3300円(税込)
- 標準プラン:3300円(税込)
- 中小事業者向けプラン:1.98%~
- 標準プラン:2.00%~
- 月2回
- QRコード決済分のみ月1回
- 例:利用開始月から3ヶ月後に解約する場合は、「残月数9ヶ月×3300円=29,700円」
決済ブランド・決済手数料













入金サイクル・運用・サポート
- 月2回
- QRコード決済分のみ月1回
- 【TEL】365日24時間対応
- 【メール】平日9:00~18:00
機能・外部サービス連携
端末情報

PAYGATE Station
- ※キャンペーン利用で無料
詳細情報
基本情報
- 小規模事業者向けプラン:無料
- 標準プラン:無料
- 小規模事業者向けプラン:1.98%~2.48%
- 標準プラン:2.70%~3.24%
- ※他行は1回辺り220円
- 毎日締め・2営業日後払い
- 月6回締め・2営業日後払い
- 月2回締め・2営業日後払い
- 月2回締め・15日後払い
- ※任意で選択可
- ※一部の業種・取り扱い商材は月2回締め15日後払い
- Android版は最短5営業日
決済ブランド・決済手数料






入金サイクル・運用・サポート
- 毎日締め・2営業日後払い
- 月6回締め・2営業日後払い
- 月2回締め・2営業日後払い
- 月2回締め・15日後払い
- ※任意で選択可
- ※一部の業種・取り扱い商材は月2回締め15日後払い
- ※他行は1回辺り220円
- ※専用端末の提供がないため、保証の概念がない
機能・外部サービス連携
端末情報

stera tap
- ※スマホは加盟店が用意
- ※専用端末の提供がないため、保証の概念がない
Airペイの口コミ
他職場で使用しているため、操作方法が簡単なところ。キャンペーン実施中に導入ができたので、手頃に導入することができた。
小さくて置き場所に困らない。決算手数料が安い。持ち運びが出来るので個室型の美容室のお席会計に便利。
Air payは操作がしやすく問題なく使えるところ。知名度があるのでお客様が安心して使えるところ。
開催中のキャンペーン・お得情報
詳細情報
基本情報
- ※iPadまたはiPhoneは加盟店負担
- ディスカウントプログラム:無料
- 標準プラン:無料
- ディスカウントプログラム:2.48%~3.24%
- 標準プラン:2.95%~3.24%
- 三井住友、みずほ、三菱UFJ銀行は月6回
- その他の金融機関は月3回
- QRコード決済分のみ月1回
- ※キャンペーンで貸与されたカードリーダーは解約時に要返却
決済ブランド・決済手数料











入金サイクル・運用・サポート
- 三井住友、みずほ、三菱UFJ銀行は月6回
- その他の金融機関は月3回
- QRコード決済分のみ月1回
- 【電話】年中無休9:30~23:00
- 【チャット】年中無休9:30~20:00
機能・外部サービス連携
端末情報

Airペイカードリーダー
- ※キャンペーン利用で無料

AirペイQR

Airペイタッチ
- ※iPhoneは加盟店が用意
PayPayの口コミ
普及率が高いことと、その場でチャージして会計ができることで、お食事後の物販購入の際も追加で購入してもらえるチャンスは大きいです。お客様を見ていると、カード決済よりも気軽に使える雰囲気があります。
PayPayはユーザー数が多く、現金を持っていない方でも気軽に買い物をしてもらえる。
キャンペーンを利用し、無料で導入できたのが良かったです。
PayPay銀行があれば手数料も安く、月末締めですぐ入金される点も気に入っています。
お客様からの認知度も高くたまにやるキャンペーンなどで利用頻度が高くなっていて助かっている。こちらで用意するものもないため楽。
詳細情報
基本情報
- 無料プラン:0円
- ライトプラン:1980円(税別)
- 無料プラン:1.98%
- ライトプラン:1.60%~1.98%
- 月1回
- ※最短翌日入金の早期振込サービスあり
決済ブランド・決済手数料

入金サイクル・運用・サポート
- ※最短翌日入金の早期振込サービスあり
機能・外部サービス連携
端末情報

PAYPAY店舗用アプリ

PAYPAY決済用QRコード
- ※専用端末の提供がないため、保証の概念がない
まとめ
個人事業主がキャッシュレス決済を導入する際のデメリットについて、実例を交えながら詳しく解説してきました。
キャッシュレス決済の導入には、決済手数料や入金サイクル、初期費用、端末故障リスク、会計業務の複雑化といったデメリットがあることは事実です。特に資金力や人員が限られる個人事業主にとって、これらは経営を左右する重要な要素となります。
しかし、適切なサービスを選び、計画的に導入すれば、これらのデメリットを最小化しながら、販売機会の拡大、インバウンド需要の取り込み、会計単価アップ、レジ業務の効率化といったメリットを享受できます。
デメリットを最小化するサービス選びのポイント
- 決済手数料を抑えたい
- stera pack
:1.98%~
- PayPay
直接契約:1.60%~
- stera pack
- 入金を早くしたい
- Square
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2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%に達し、今後も増加が見込まれています。「現金のみ」の店舗は、確実に販売機会を逃していると言えるでしょう。
この記事で紹介したデメリットと対処法を参考に、自店舗に最適なキャッシュレス決済サービスを選んでください。
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