リクルートが提供する『Airペイ(エアペイ)』や、楽天が提供する『 楽天ペイ 』など、スマホまたはタブレットと、カードリーダーを接続して決済を行うモバイル決済端末。
導入費用が安く、業種・事業者規模を問わず一律2~3%台の決済手数料で導入できることから個人事業主などの小規模事業者にも人気の決済端末です。
モバイル決済端末は、個人タクシーでも導入できるの?
結論から言うと可能です。
ただし、飲食店や美容室など店舗事業者が導入する場合と異なり、個人タクシーが導入する場合、交通系電子マネーなど、一部の決済方法に対応出来ないなど注意点もあります。
この記事では、「個人タクシーのモバイル決済端末導入」をテーマに、以下のポイントについて徹底解説します。
この記事でわかること
- 個人タクシーがモバイル決済端末を導入する4つのメリット
- 個人タクシーがモバイル決済端末を導入する前に知っておくべき4つの注意点
- 個人タクシーでも導入できるモバイル決済端末
- 電子マネー決済に対応したい個人タクシーにおすすめの決済端末
個人タクシーにおすすめの決済端末
そもそもモバイル決済端末とは?
モバイル決済端末は、スマホやタブレットなどの「モバイル端末」と「カードリーダー」をBluetoothで接続し、決済処理を行う端末です。
この端末は、決済の操作をスマホやタブレット上で行うため、従来の決済端末に比べて必要な機能が少なく済むため、コストを抑えることができます。
そのため、カードリーダーの本体価格が安く、導入費用が安価です。『STORES 決済 (旧:Coiney)
また、導入後に継続してかかる決済手数料は、一律3%台の料率で提供する事業者が多いです。
個人タクシーがモバイル決済端末を導入する4つメリット
- 【契約の柔軟性】決済額のノルマがなく、いつでも解約できる
- 【月額無料】費用負担は、決済手数料と入金手数料のみ
- 【導入費用が安い】決済サービスによっては無料で導入できる
- 【入金サイクルが早い】決済翌日に入金されるサービスもある
【契約の柔軟性】決済額のノルマがなく、いつでも解約できる
モバイル決済端末の多くは、最低利用期間や月間の最低決済額など、契約上の縛りがありません。
「一度、キャッシュレス対応してみたものの、やっぱり辞めたい」という場合には、いつでも解約することができます。
つまり、契約上の縛りに悩まされることなく、キャッシュレス決済に対応し続けるか解約するかを自由に選択することができます。
【月額無料】費用負担は、決済手数料と入金手数料のみ
多くのモバイル決済端末では、導入後に発生する費用は以下の2つです。
- 決済手数料…3.24%のものが多い
- 入金手数料…入金額を問わず無料のものもある
月額費用などの固定費はなく、一度も決済しなければ追加の費用は発生しません。
仮に、月額費用が発生する場合、一定以上の利用がなければ、無駄な費用負担と感じてしまいますが、モバイル決済端末ならそのような心配は無用です。
そのため、「導入してみたけど、思いの外、使われなかったらどうしよう?」といった不安をお持ちの方でも安心して導入できます。
【導入費用が安い】決済サービスによっては無料で導入できる
タクシー用の決済端末は、通信環境が悪くても決済できるオフライン処理やメーター連動機能などタクシー業向けの機能が搭載されている分、30万円以上するものも珍しくありません。
一方、モバイル決済端末は、決済端末本体(カードリーダー)の価格が安いため、導入費用が安価です。
モバイル決済端末を利用する上で必要な機器は以下の3点です。
つまり、
「必要機器の購入費用=導入費用」
となります。
『STORES 決済 (旧:Coiney)
【入金サイクルが早い】決済翌日に入金されるサービスもある
タクシー用の決済端末は、入金サイクルが月末締め翌月末払いのものが多く、現金化までに時間がかかります。
一方、モバイル決済端末は、決済してから売上が振り込まれるまでの入金サイクルが早いものが多く、最短翌日に入金されます。
モバイル決済端末 各社の入金サイクルと手数料
サービス | 入金サイクル | 入金手数料 |
---|---|---|
Airペイ | 月6回 ※三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行以外は月3回 | 無料 |
Square | 翌営業日 ※三井住友銀行、みずほ銀行以外は週1回 | 無料 |
楽天ペイ | 翌日 ※楽天銀行以外は翌営業日(管理画面から振込依頼が必要) | 無料 ※楽天銀行以外は330円(税込) |
STORES 決済 (旧:Coiney) | 金融機関を問わず月1回 ※翌々営業日以内に入金される手動入金あり | 無料 |
ほとんどのサービスでは、特定の金融機関の口座を入金先に指定することで、入金サイクルが早まります。
とくに『Square
個人タクシーがモバイル決済端末を導入する前に知っておくべき4つの注意点
- 電子マネー決済を導入できない
- タクシーメーターとの連動ができない
- ネット通信可能なスマホまたはタブレットが必要
- レシートプリンターは別途用意する必要がある
それではデメリットについて一つずつ解説していきます。
電子マネー決済を導入できない
多くのモバイル決済端末は、電子マネー決済に対応しております。
しかし、タクシー業がモバイル決済端末を利用する場合、ほとんどの電子マネー決済を導入することができません。
サービス | タクシー業が対応できる電子マネー |
---|---|
Airペイ(エアペイ) | QUICPay、iDのみ対応 |
Square(スクエア) | 電子マネー決済の利用不可 |
楽天ペイ | 電子マネー決済の利用不可 |
STORES 決済 (旧:Coiney) | 電子マネー決済の利用不可 |
これは、多くの電子マネー事業者がタクシー業が電子マネー決済をモバイル決済端末で行うことを認めていないからです。
交通系電子マネーをタクシーで導入できる決済端末は、フィールドテストを行い、全国の交通系電子マネー事業者(SUICAなどの9つの事業者)から承認を得ています。
タクシーの場合、場所によって通信状況が安定せず、決済ができない事象が起こるうることが大きな理由のようです。
タクシーメーターとの連動ができない
モバイル決済端末はタクシーメーターと連動ができません。お会計時には、決済アプリを用いて決済金額を手動で入力する必要があります。
ちなみに、飲食店や美容院などでモバイル決済端末を導入した場合でも、POSレジとの連動に対応していない場合は、同様の操作が必要です。
私が以前に勤めていた飲食店では、POSレジとの連動機能はなかったのですが、操作はそれほど難しくなく、特に問題は感じませんでした。
スムーズに会計できるかどうかは慣れの部分もあります。モバイル決済端末は導入費用が掛からず、いつでも解約できるため、実際に使ってみて操作性を確かめてみることをおすすめします。
ネット通信可能なスマホまたはタブレットが必要
モバイル決済端末の決済処理は、スマホまたはタブレットのネット通信を利用して行われます。
通信環境はキャリア通信、Wi-Fiのどちらでも使えるため、手持ちのスマホをそのまま使うことができます。しかし、モバイル決済端末によっては、iOSしか使えないものもあるので、注意が必要です。
モバイル決済サービス各社の対応OS
サービス | 対応OS |
---|---|
Airペイ(エアペイ) |
|
Square(スクエア) |
|
楽天ペイ |
|
STORES 決済 (旧:Coiney) |
|
『Airペイ(エアペイ)
また、お店ではWi-Fiモデルでも利用可能ですが、タクシーの場合、キャリア通信の契約をする必要があります。手持ちのスマホとテザリングして使うことも可能ですが、使い勝手は良くないでしょう。
モバイル決済端末を導入する際には、必ず手持ちのスマホが対応しているものを選ぶようにしましょう。
レシートプリンターは別途用意する必要がある
モバイル決済端末でカード明細を紙で発行する場合、レシートプリンターを別途用意する必要があります。
カード明細の送付はメールやSMSでも可能ですが、タクシーの会計時に、お客様からメールアドレスや電話番号を教えてもらって、いちいち送信するというのは、かなり煩わしい作業です。
タクシーの領収書だけで問題ないという場合には不要ですが、導入後にカード明細も求められる機会が多ければ、必要に応じて追加購入すると良いでしょう。
2万円前後で以下のようなモバイルプリンターも購入可能です。
個人タクシーが導入できるおすすめのモバイル決済端末3選
- 『Square(スクエア)
』…最短即日からカード決済に対応 - 『STORES 決済 (旧:Coiney)
』…iOSでもAndroidでも導入無料 - 『Airペイ(エアペイ)
』…豊富な決済手段に対応
モバイル決済端末の中でも、個人タクシーが導入するなら上記の3社がおすすめです。
ただし、いずれも交通系電子マネーには対応できません。
電子マネー決済にも対応したい方は、当記事後半『『PAYGATE』なら個人タクシーでも電子マネー決済に対応可能!』をご覧ください。
各社の特徴について、一つずつ解説していきます。
Square
スクエア
|iOS・Android対応|手持ちのスマホを決済端末できる!
- Tap to Pay
- 無料
- iPhone
- Androidスマホ
- 必要な場合は別途購入
- タッチ決済
- -
- POSレジ内蔵
- 外部のPOSレジと連携可
- モバイル決済端末
- 4,980円
- iPhone
- iPad
- Androidスマホ
- Androidタブレット
- 必要な場合は別途購入
- ICカード
- タッチ決済
- 注文日から1年間
- 注文から30日以内なら使用後で無料返品可
- POSレジ内蔵
- 外部のPOSレジと連携可
- ポータブル型オールインワン決済端末
- 39,980円
- 不要
- 端末に内蔵
- ICカード
- 磁気カード
- タッチ決済
- 注文日から1年間
- 注文から30日以内なら使用後で無料返品可
- POSレジ内蔵
- iPadスタンド型決済端末
- 29,980円
- iPad
- 必要な場合は別途購入
- ICカード
- タッチ決済
- 注文日から1年間
- 注文から30日以内なら使用後で無料返品可
- POSレジ内蔵
- 外部のPOSレジと連携可
- 据置型オールインワン決済端末
- 84,980円
- 不要
- 必要な場合は別途購入
- ICカード
- 磁気カード
- タッチ決済
- 注文日から2年間
- 注文から30日以内なら使用後で無料返品可
- POSレジ内蔵
- 最短当日からカード決済に対応可能!
- Android・iOSの両方に対応
- カードブランド各社のタッチ決済に対応
『Square(スクエア)
日本国内のタクシー事業者では、関西最大手の『日本交通』で導入されています。
タクシー業が対応できる決済方法はカード決済のみですが、決済端末にカードやスマホをかざして決済できるタッチ決済にも対応しています。
『Square(スクエア)
また、「スマホでタッチ決済」というサービスを提供しており、スマホそのものを決済端末として利用できます。
専用の決済端末が不要なため、手持ちのスマホを使えば初期費用0円で始めることができます。
- 利用状況に応じて、追加で書類提出を求められることがある
Airペイ
エアペイ
- 0円スタートキャンペーン
-
通常20,167円(税込)の「カードリーダー型の決済端末」を無料貸与。
公式でチェック
- キャッシュレス導入0円キャンペーン
-
実店舗を持つ事業者を対象に「iPad」と「カードリーダー型の決済端末」の2点を無料貸与。
公式でチェック
- モバイル決済端末
- 20,167円
- iPhone
- iPad
- 必要な場合は別途購入
- ICカード
- 磁気カード
- タッチ決済
- 受取月を含む6ヶ月以内
- 外部のPOSレジと連携可
- iOSアプリ
- 無料
- iPhone
- iPad
- 外部のPOSレジと連携可
- Tap to Pay
- 無料
- iPhone
- 非対応
- タッチ決済
- -
- 外部のPOSレジと連携可
- 豊富な決済手段に対応
- カードリーダーが無料
『Airペイ(エアペイ)
対応できる決済方法の種類が非常に多く、カード決済や電子マネー決済、全50種以上のQRコード決済に対応しています。
現在実施中の『0円スタートキャンペーン
ただし、iOS端末のみ対応なので、iPhoneまたはiPadが手元にある方におすすめです。
- キャンペーン利用した場合、iPad、カードリーダーは解約時に返却が必要
- QRコード決済の売上分のみ月末締め翌月末の月1回入金
- 入金先にゆうちょ銀行は使えない
STORES決済
ストアーズ決済
- モバイル決済端末
- 19,800円
- iPhone
- iPad
- Androidスマホ
- Androidタブレット
- 必要な場合は別途購入
- ICカード
- 磁気カード
- タッチ決済
- 受け取りから1年間
- 外部のPOSレジと連携可
- カードリーダーが無料
- Android・iOSの両方に対応
- 決済の処理スピードが早い
『STORES 決済 (旧:Coiney)
申し込みから180日以内に累計10万円以上の決済を行うとカードリーダーが無料になります。Android・iOSの両方に対応しているため、手持ちのスマホを使えば導入費用は無料です。
QRコード決済『WeChat Pay』にも対応しておりますが、中国人向けの決済方法なので利用する機会はあまりないでしょう。
決済処理のスピードに関する評判が良く、会計がスムーズに行えるため、タクシーでの導入にもおすすめです。
- スマホ・タブレットはお店側で用意
- 申込日から180日以内に累計10万円以上の決済が確認できない場合は、決済端末代として19,800円がかかる
- 対応可能な決済手段が少ない
『PAYGATE』なら個人タクシーでも電子マネー決済に対応可能!
タブレットPOS「スマレジ」が提供する決済サービス『PAYGATE
また、提供される決済端末『PAYGATE Station』は、周辺機器を必要としないマルチ決済端末です。
これ1台でカード決済から電子マネー決済、QRコード決済まで決済処理ができるだけでなく、プリンター内蔵のため、紙のレシート発行も可能です。
加えて、4G回線でのデータ通信付きなので、タクシー事業者など移動体にもおすすめの決済端末です。
気になる料金は以下の通り。
初期費用 | 無料 |
---|---|
月額利用料 | 3300円/月 |
決済手数料 | 2.00%~ |
入金手数料 | 無料 |
月額費用が掛かってしまいますが、現在実施している『PAYGATE リリースキャンペーン』では、導入時に掛かる端末代39,600円(税込)が無料になります。
以上、個人タクシー事業者がモバイル決済端末を導入するデメリットのほぼ全てをカバーしており、費用負担も軽い点から『PAYGATE
【まとめ】モバイル決済端末はこんなタクシー事業者におすすめ
- 決済端末を導入したいけど、お金をなるべくかけたくない
- 電子マネー決済には対応できなくても良い
- タクシーメーター連動などタクシー業向けの機能は必要ない
以上、『個人タクシーのモバイル決済端末導入』について解説してみました。
モバイル決済端末は、タクシー用の決済端末に比べると導入費用や決済手数料など費用負担が少なく、手軽に導入することができます。
とくに、『Square(スクエア)
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しかし、電子マネー決済に対応できなかったり、通信環境や周辺機器を用意する必要があるといったデメリットも少なくありません。
前述した『PAYGATE
コメント
コメント一覧 (3件)
個人タクシー事業者です。現在、組合推奨の決済システムを導入していますが、配車&ディスプレイ広告連動の
Taxi Go または、みんタクのシステム導入を勧められています。ともにクレジット・電子マネー系・QR決済が
可能なのですが、配車&ディプレイ広告は必要ありません。そこで個別導入を考え、決済会社を探しているの
ですが、どこも電子マネーは不可のところばかりです。何故、Taxi Go やみんタクならOKなのに、個別導入
ではダメなのか理解できません。セッション不安定なら、車内Wi-Fiを導入し、Blue‐tooth経由で常時接続状態
にすれば、通信環境は安定すると思います。もちろんこうしたことを導入条件にしてもいい思います。どなたか
手を挙げていただける会社さんはないのでしょうか?
一番はコストの問題でしょうね。
記事で紹介しているようなモバイル決済サービスは、タクシー等の移動体に向けて通信環境を提供しておりません。電子マネーブランドの多くは、安定して決済できるかどうかを加盟店条件として重視しているようです。
おっしゃられるような車内Wi-Fiを導入した場合、通信事業者と決済サービス事業者がバラバラになってしまうので、決済ができなかったときの責任元がはっきりしません。
審査通過のために車内Wi-Fiを契約、決済サービス導入後に解約して、テザリング等で利用することも可能です。こうした場合は加盟店規約違反で端末の利用を停止するにしても、決済サービス事業者側の管理コストが増えてしまいます。
また、通信環境を決済サービス事業者が提供する場合は、単純にコストが上がりますし、前述したフィールドテストにもコストが掛かります。
このような形でタクシー対応した上で、一律の決済手数料かつ月額固定費や導入費用がかからない形でサービス提供をするのは難しいのだと思います。さらに、個人タクシーの1事業者辺りの売上規模を考えると、余計に難しいのではないでしょうか。
記事を更新しました。
決済端末『スマレジ・PAYGATE』がリリースされたためです。
公式に問い合わせたところ、個人タクシーでも電子マネーを含むすべての決済方法に対応可能とのことです。
決済端末をお探しでしたら、公式サイト上の「お問い合わせ」から申し込みしてみてください。
※公式サイトは以下からアクセス可能です。
≫スマレジ・PAYGATE詳細はこちら