モバイル決済サービス「Square(スクエア)」の新機能として「オンライン決済」機能が新たに追加されました。
これまでも「Square API」を利用することで、自社ECサイト内でのオンライン決済を構築することが出来ましたが、専門的な知識が必要なため、導入ハードルが高く実用できる事業者が限定的でした。
今回追加された「オンライン決済」機能では、ネットショップ(ECサイト)作成はもちろん、飲食店のデリバリー・テイクアウトなど幅広い業種に対応しております。
この記事では、「Square(スクエア)」の新機能「オンライン決済」について徹底解説していきます。
「Square(スクエア)」が提供する2つの「オンライン決済」サービス
新たに追加された「オンライン決済」機能は、大きく分けて以下の2つです。
- 【Square オンラインビジネス】ネットショップや飲食店のデリバリー・テイクアウト販売ページの作成が可能!
- 【Square オンラインチェックアウト】自社ホームページやメールで使える決済用リンクの作成が可能!
【機能①:Square オンラインビジネス】ネットショップや飲食店のデリバリー・テイクアウト販売ページの作成が可能!
「Square オンラインビジネス」は、ネットショップ(ECサイト)・オンライン販売ページを専門的な知識不要で作成できるサービスです。
詳しくは後述しますが、基本的な機能は無料で利用可能で、カード決済の手数料3.6%のみで利用可能です。
類似サービスとして、BASEやSTORES といったネットショップ作成サービスが挙げられます。
「Square オンラインビジネス」以下のような販売機能が備わっております。
- ネットショップ機能
- デリバリー・テイクアウト向け販売機能
- 月額課金(サブスクシプション)機能
- ソーシャルメディア(SNS)との連携販売機能
様々な業種に対応したオンライン決済が可能です。
もちろん決済機能を併用して利用することができ、
例えば、飲食店なら「テイクアウト」「デリバリー」「通販」全てに対応したネットショップを作成することが可能です。
それぞれの決済機能について簡単に解説していきます。
ネットショップ(ECサイト)機能
専門的な知識不要で、誰でも簡単にネットショップを作成することができます。
「Square オンラインビジネス」の基本的な機能で、まずはネットショップ(ECサイト)を作成し、商品・サービスに応じて、決済機能を設定することができます。
デリバリー・テイクアウト向け販売機能
類似サービスにおいても、テイクアウト販売に一部対応しているものがありますが、独自のデリバリー販売には対応しておらず、複数のサービスを使い分ける必要があります。
「Square オンラインビジネス」であれば、デリバリー・テイクアウトの両方に対応しているため、これ一つで販売ルートを確保できます。
月額課金(サブスクシプション)機能
月額制のサービスや商品をオンライン上で販売することができます。
この機能を使えば、スポーツジムの会員登録をオンライン上を完結させたり、オンラインサロンやウェブサービスなどの月額費用の支払いなどが可能になります。
月額サービス(サブスク)を提供する事業者は、業種を問わず増えており、オンラインビジネス・実店舗ビジネスを問わず、サービス展開の幅を大きく広げることが可能です。
ソーシャルメディア(SNS)との連携販売機能
オンライン上で商品販売する場合、集客が大きな課題となります。
「Square オンラインビジネス」は、インスタグラムやFACEBOOKとの連携機能が備わっているため、SNS上のフォロワーに対して、プロモーションを行うことができます。
とくに、インスタグラムのショッピング機能は、投稿した写真と商品を紐づけることで、インスタグラム上で商品情報を確認から注文まで対応可能です。
これからネットショップを始める場合、もっとも購買に期待ができる「既存顧客(ファン)」に対して、告知が出来るため、非常に魅力的な機能です。
【機能②:Square オンラインチェックアウト】自社ホームページやメールで使える決済用リンクの作成が可能!
これまでにも「Square(スクエア)」には、カード決済可能な請求書をオンライン上で発行できる「Square請求書」機能がありました。
しかし、「Square請求書」は、あくまで請求書なので一通ずつ個別に作成するため、特定の取引先との支払いに向けたものでした。
「Square オンラインチェックアウト」は、決済用のリンクを一度作成すれば、同じリンクを不特定多数に向けて配信したり、自社ホームページ上で商品販売を行うことが可能です。
この機能は、
- 販売する商品が少ない場合
- メールマガジンでの商品販売
- 自前のホームページ上での決済
等に向いております。
商品数が少なく、わざわざネットショップを作成するほどでもない場合には、非常に便利です。
また、この機能を応用すれば、飲食店や美容院などお店の予約機能としても活用できるだけなく、事前決済が可能になため、無断キャンセル対策にもなります。
「Square(スクエア)」の「オンライン決済」機能の3つのメリット
そんな機能豊富なSquare(スクエア)で「オンライン決済」を始める大きなメリットは以下の3つです。
- 【シンプルな料金プラン】3.6%の決済手数料のみで使える無料プランも!
- 【実店舗との連携】決済に関する全ての機能が集約!在庫管理もラクラク!
- 【多業種対応】様々な業種のニーズに合わせたオンライン決済に対応!
【シンプルな料金プラン】3.6%の決済手数料のみで使える無料プランも!
Square(スクエア)の「オンライン決済」機能では、月額費用「無料プラン」と「有料プラン」が用意されております。
全プラン共通して掛かる費用は、
- カード決済の手数料=3.6%
- デリバリー手数料=注文1件辺り50円の手数料(2020年12月末まで無料)
上記の2つです。
有料プランは、「月額1200円」「月額2500円」「月額6800円」の3つのプランが提供されており、価格に応じて機能が追加されていきます。
※価格は年間契約の場合
それでは「無料プラン」と「有料プラン」、それぞれの料金と機能について見ていきましょう。
無料プランの詳細
初期費用 | 無料 |
---|---|
月額固定費 | 無料 |
決済手数料 | 3.6% |
デリバリー手数料 | 1件辺り50円(2020年12月末まで無料) |
「無料プラン」は、その名の通り、決済手数料のみで利用することができます。
商品登録数 | 無制限 |
---|---|
決済方法 | Visa Mastercard AMEX JCB DinersClub Discover |
事前決済機能 | 〇 |
テイクアウト機能 | 〇 |
デリバリー機能 | 〇 |
月額課金機能(サブスクリプション) | 〇 |
SNS販売機能 | 〇 |
実店舗との在庫連携 | 〇 |
クーポン発行機能 | 〇 |
SEO設定 | 〇 |
海外発送 | 〇 |
サポート対応 | 電話 メール |
カテゴリ管理 | 〇 |
送料詳細設定 | 地域に合わせた送料の登録が可能 |
送料詳細設定 | 地域に合わせた送料の登録が可能 |
上述の通り、無料プランでも、オンライン決済に必要な基本的な機能は一通り利用可能です。
有料プランの詳細
有料プランは、以下の3種類が用意されております。
プラン | 年間契約 | 月間契約 |
---|---|---|
プロフェッショナルプラン | 1200円/月 | 1600円/月 |
パフォーマンスプラン | 2500円/月 | 2800円/月 |
プレミアムプラン | 6800円/月 | 7500円/月 |
無料プランとの主な違いとして、以下のような機能が挙げられます。
- 独自ドメインの設定
- Squareロゴの非表示
- アクセス解析機能
- チャットサポート機能
「Square(スクエア)を利用していることをユーザーに知られたくない場合」や、「ネットショップにどういった経路でユーザーが来訪しているか」、「どれくらいのユーザーがアクセスしているか」、といった情報を知りたい場合には、有料プランを利用すると良いでしょう。
パフォーマンスプランは上記に加えて、
「商品レビュー機能」
「PayPal決済が利用可能」
「優先サポートを受けられる」
といった機能が追加されます。
プレミアムプランは、パフォーマンスプランの機能に加えて、「決済手数料3.6%」⇒「3.3%」に引き下げられます。
有料プランへのアップグレードはいつでも好きなタイミングで行うことができます。
有料プランの機能は、販売数が増えていくにつれて、便利なものが多いので、まずは無料プランで初めてみて、売れ行きに応じて有料プランに上げてみる形がおすすめです。
【実店舗との連携】決済に関する全ての機能が集約!在庫管理もラクラク!
商品情報は、POSレジ機能「Squareレジ」と連携しているため、商品登録や在庫情報の一元管理が可能です。
他社サービスの場合、ネットショップから注文が入ってもPOSレジ上の在庫に変化はありません。
既に「Squareレジ」を利用している店舗であれば、実店舗販売用に登録している商品情報をそのまま登録することが可能なため、ネットショップ作成作業が非常に簡単です。
小売店など実店舗とネットショップで販売する商品が被っている場合、非常に便利な機能です。
他社サービスではPOSレジ機能がないため、こうした実店舗販売の在庫との連携機能は「Square(スクエア)」にしかない機能の一つです。
【多業種対応】様々な業種のニーズに合わせたオンライン決済に対応!
前述した通り、オンライン上における様々な販売方法を想定しているため、機能が豊富です。
通常、これらの機能を全て使う場合、複数のサービスと併用する必要があり、初期費用や月額固定費が発生します。
「Square(スクエア)」の場合、全ての機能を「初期費用」や「月額固定費」無料で使うことができます。
※一部機能は、有料プランあり
※モバイル端末やプリンターなど周辺機器は、別途購入
そのため、ほぼ全ての業種でのオンライン決済に対応することが可能です。
ここでは、
- 飲食店
- 小売店
- 美容室・サロン
- コンサルタント・デザイナーなど委託業
- スポーツジム・ヨガ教室などの月謝制サービス
- チケット・デジタルコンテンツの販売・オンラインサロンなど
上述の業種での使用例を挙げていきます。
オンライン決済のみならず、各業種別にSquare(スクエア)で活用機能と併せて解説していきます。
【使用例①】飲食店の場合
飲食店が活用できるSquareの機能は上記の図の通り。
オンライン決済機能にスポットを当てると以下のような使い方が可能です。
- ネットショップ
- デリバリー/テイクアウトの注文用サイト
- お客様のスマホを使ったテーブルオーダー用の注文サイト
- 宴会など大人数予約時の事前決済
- サブスク機能を活用した販促・顧客の囲い込み
一つのサイトで「自社通販サイト」「デリバリー」「テイクアウト」「テーブルオーダー」全てを集客したサイトを作成することも可能なため、使い方によっては注文機能を備えたホームページとしても活用できるでしょう。
【使用例②】小売店の場合
小売店が活用できるSquareの機能は上記の図の通り。
オンライン決済機能にスポットを当てると以下のような使い方が可能です。
- ネットショップ
- POSレジとネットショップの在庫連携
- 大口注文時の請求書発行(カード決済対応)
- 商品の取り置き時などの事前決済
POSレジとネットショップの在庫状況が連携されるため、実店舗販売とオンライン販売の在庫管理を二重に行う必要がありません。
商品数が多ければ多いほど、Square(スクエア)を利用するメリットが非常に大きいでしょう。
【使用例③】美容室・サロンの場合
美容室・サロンが活用できるSquareの機能は上記の図の通り。
オンライン決済機能にスポットを当てると以下のような使い方が可能です。
- ネットショップ
- POSレジとネットショップの在庫連携
- 事前決済によるキャンセル対策
- 継続課金プランの販売
シャンプーやスタイリング剤などを販売している美容室では、小売店同様にPOSレジとネットショップの在庫状況が連携されるため、実店舗販売とオンライン販売の在庫管理を二重に行う必要がありません。
また、施術代を事前決済してもらうことで、無断キャンセル対策などにも繋がります。
加えて、月額課金(サブスク)機能を活用することで、中長期的な継続プランでの決済にも活用することができます。
ただし、特商法の関係で継続課金の利用には、金額と提供する期間の条件があります。
- サービスの金額が5万円以下のコースは、提供期間が1年以内なら決済可能
- サービスの金額が5万円を超えるコースは、提供期間が1ヶ月以内なら決済可能
こうした継続課金に対応している決済サービスは少なく、Square(スクエア)の大きな特徴の一つと言えます。
【使用例④】コンサルタント・デザイナーなど業務委託業の場合
コンサルタント・デザイナーなど業務委託業が活用できるSquareの機能は上記の図の通り。
オンライン決済機能にスポットを当てると以下のような使い方が可能です。
- ネットショップ機能を使ったオリジナルの案件受注サイト作成
- カード決済可能な請求書発行
- 金額が一定の場合、事前決済機能での支払い対応
Square(スクエア)のオンライン決済は、無形商品の販売にも活用することができます。
例えば、デザイナーであれば、「イラスト1点〇〇円」といった形で商品を販売可能です。
また、金額が一定ではない案件が多い場合は、請求書機能を使えば、カード決済に対応した請求書をクライアントに送付することが可能です。
わざわざウェブサイトを作るほどではない場合や、既にウェブサイトを貰っている場合でも、事前決済機能を使ってオンライン上での決済のみ活用することも可能です。
【使用例⑤】スポーツジム・ヨガ教室など月謝制サービスの場合
スポーツジム・ヨガ教室など月謝制サービスが活用できるSquareの機能は上記の図の通り。
オンライン決済機能にスポットを当てると以下のような使い方が可能です。
- 月謝の支払い
- ネットショップ
- 事前決済によるキャンセル対策
月額課金(サブスク)機能を使えば、月謝の支払いにも対応することができます。
また、ネットショップ上での関連商品の販売などが可能です。
ジムに所属しないスポーツインストラクターなど、出張型で仕事を行っている場合は、
ネットショップ上でレッスンの申し込みを受けることも可能です。
【使用例⑥】チケット・デジタルコンテンツの販売・オンラインサロンの場合
チケット・デジタルコンテンツの販売・オンラインサロンが活用できるSquareの機能は上記の図の通り。
オンライン決済機能にスポットを当てると以下のような使い方が可能です。
- ネットショップ
- 事前決済によるチケット販売
- 継続課金プランの販売
イラストや音楽ファイルの販売といった無形商品の販売サイト作成や、単発のイベントなどでは事前決済機能でのチケット販売などが行えます。
また、月額課金(サブスク)機能を使えば、オンラインサロンなど月謝制サービスの決済にも活用することができます。
Square(スクエア)の「オンライン決済」機能のデメリットは?
機能豊富なSquare(スクエア)ですが、「オンライン決済」機能のデメリットは以下の2つが挙げられます。
- カード決済にしか対応できない
- デザインテンプレート機能がない
カード決済にしか対応できない
Square(スクエア)のオンライン決済機能は、カード決済しか対応できません。
他社サービスの無料プランでは、以下のような決済方法にも対応しております。
BASE |
|
---|---|
STORES |
|
カラーミーショップ |
|
こうして比較してみると、Square(スクエア)の対応可能な決済方法は少ないことがわかります。
デザインテンプレート機能がない
BASEやストアーズといった他のネットショップサービスの場合、豊富なテンプレートから好みのデザインにカスタマイズすることが可能です。
Square(スクエア)のネットショップ機能は、こうしたテンプレート機能がありません。
そのため、他サービスと比べるとデザインの幅は少ないですが、パーツ単位で商品リストの作成などある程度のデザイン調整が可能です。
「テンプレートの種類が多いと作成に時間が掛かる」
「所詮テンプレートなのでデザイン調整には限界がある」
といったデメリットもあるため、個人的にはテンプレート機能はさほど重要ではないと思います。
Square(スクエア)のネットショップページのデザインは、シンプルなデザインなので、業種を問わず使いやすい印象です。
【まとめ】これからオンライン販売を始めるならSquare(スクエア)がおすすめ
基本的なネットショップ機能はBASEやSTORES と大きな違いはありませんが、POSレジ機能との連携は、在庫管理や商品登録といった作業が効率的に行うことができます。
「実店舗販売」と「オンライン販売」両方を行う場合、非常に魅力的です。
Square(スクエア)はオンライン販売以外にも以下のような機能を使うことができます。
- POSレジ機能
- 店頭での対面決済(カード決済/電子マネー決済)
- QRコードオーダー機能
- カード決済可能な請求書発行
- タイムカード/勤怠管理(無料、ただし一部拡張機能は有料)
- オリジナルプリペイドカードの発行
Square(スクエア)を使えば、会計業務・決済業務に関する機能が集約されているため、目的・用途によって複数のサービスを併用する必要がありません。
しかも、基本利用料が無料、カードや電子マネー決済時の決済手数料(2.50~3.75%)のみで利用可能です。
ここまで豊富な機能を月額固定費なしで使えるサービスは他にはありません。
これからオンライン販売を始めるお店はもちろん、既にオンライン販売を行っているお店も「実店舗決済」と「オンライン決済」をSquare(スクエア)にまとめてみてはいかがでしょうか。
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