キャッシュレス決済の導入を検討している事業者にとって、決済手数料は重要な検討ポイントとなります。
この記事では、『Airペイ(エアペイ)』が提供する「決済手数料ディスカウントプログラム」について、対象となる事業者の条件や申込方法、注意点などを詳しく解説していきます。
『Airペイ(エアペイ)』の「決済手数料ディスカウントプログラム」とは?
『Airペイ(エアペイ)』の「決済手数料ディスカウントプログラム」は、中小事業者向けにキャッシュレス決済の導入を促進することを目的とした取り組みです。
対象となる主要クレジットカードブランドの決済手数料が2.48%に引き下げられます。
通常料率3.24%→2.48%に引き下げ
このプログラムは、Airペイの加盟店審査通過後に申込みが可能となります。
プログラムの審査は加盟店審査とは別に行われ、通過した事業者から順次適用されていきます。なお、プログラムは2024年12月以降に順次適用開始予定です。
『Airペイ(エアペイ)』に新規申込みの方も、審査通過後にプログラムへの申込みが可能です。
『Airペイ(エアペイ)』の「決済手数料ディスカウントプログラム」の利用条件・対象事業者
『Airペイ(エアペイ)』の「決済手数料ディスカウントプログラム」は、主に中小事業者を対象としています。カードブランドごとに細かい利用条件がありますが、共通点も多くあります。
以下に、このプログラムを利用するために必要な条件を整理し、わかりやすくまとめました。
条件 | Visa | Mastercard | JCB/AMEX/Diners/Discover |
---|---|---|---|
対象者 | 非上場の中小企業 | 非上場企業※1 | 非上場の中小企業 |
年間決済額の上限 | 2,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円※2 |
他社端末での取扱い | 不可 | 不可 | 制限なし |
対象外業種 | 不動産、ホテル・旅館、鉄道、タクシー、路線バス、引越し、宅配、旅行代理店 | ||
その他 | カードブランドが利用可能であることを示す「店頭掲示ツール」の掲示 |
※2.JCB/AMEX/Diners Club/DISCOVERは4ブランド合計で決済上限は1000万円となります。
対象となる「中小企業」は、中小企業庁が業種別に定義しているものを指します。具体的な定義は以下の通りです。
中小企業の定義 | ||
---|---|---|
業種 | 資本金等※1 | 常時使用する従業員の数 |
製造業、建設業、 運輸業、その他の業種※2 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
※2 その他の業種は、卸売業、サービス業、小売業を除く
出典:中小企業庁「中小企業の定義に関するよくある質問」
補足として、中小企業庁の定義では飲食業は小売業に該当します。また、事業形態は法人・個人事業主のどちらでも構いません。
直近1年間の各カードブランド毎の決済上限に達した時点で、ディスカウントプログラムの対象から外れ、通常カード手数料3.24%が適用されます。詳しい計算方法については、【「Airペイ(エアペイ)決済手数料ディスカウントプログラム」を利用する前に知っておくべき注意点】で解説します。
『Airペイ(エアペイ)』の料金・手数料詳細
『Airペイ(エアペイ)』の料金・各種手数料は以下の通りです。
初期費用 | 無料※今ならiPadとカードリーダーが無料 |
---|---|
月額利用料 |
|
決済手数料 |
|
入金手数料 | 無料 |
入金サイクル |
|
提供元 | 株式会社リクルート |
『Airペイ(エアペイ)』の利用にかかる費用は0.99~3.24%の決済手数料のみです。対応カードブランドとブランドごとの手数料は以下の通りです。
現在実施中の「キャッシュレス導入0円キャンペーン」では、iPadとカードリーダーが無料貸与されるため、初期費用無料で導入できます。
iPad&カードリーダーが無料の「キャッシュレス導入0円キャンペーン」と併用もOK
『Airペイ(エアペイ)』では、新規申込みした実店舗事業者向けに、iPadとカードリーダーが無料の「キャッシュレス導入0円キャンペーン」を実施中です。
このキャンペーンと「決済手数料ディスカウントプログラム」は併用が可能です。
- 実施期間: iPadの在庫がなくなり次第終了
- 対象者: 実店舗を持つ『Airペイ(エアペイ)』を初めて導入する事業者
- 特典: 『Airペイ(エアペイ)』の利用に必要なiPadとカードリーダーを無料貸与
「Airペイ(エアペイ)決済手数料ディスカウントプログラム」を利用する前に知っておくべき注意点
『Airペイ(エアペイ)』の「決済手数料ディスカウントプログラム」は条件を満たせば、クレジットカード決済を手数料2.48%で利用可能なため、非常に魅力的です。
ただし、導入前に知っておくべき注意点が6つあります。
- 各カードブランドで設定された年間の決済金額の上限を超過すると手数料率が引き上げ
- 各カードブランドの決済額は他の決済サービスの利用分も含めた合計額
- 年間の決済上限金額は店舗単位ではなく、事業者単位で計算
- 『Airペイ(エアペイ)』以外の他社端末との併用不可
- プログラムへの申込みは、『Airペイ(エアペイ)』の加盟店審査後に専用フォームから行う
- 予告なくプログラム内容を変更または終了する場合がある
一つずつ詳しく解説していきます。
注意点.01|各カードブランドで設定された年間の決済金額の上限を超過すると手数料率が引き上げ
『Airペイ(エアペイ)』の「決済手数料ディスカウントプログラム」では、カードブランド毎に年間決済上限額が設定されています。直近1年間の決済額が上限に達したブランドは、以降通常の手数料3.24%が適用されます。
プラン | 決済上限額 |
---|---|
Visa | 2,000万円 |
Mastercard | 1,000万円 |
JCB/AMEX/ Diners Club/DISCOVER※ | 1,000万円 |
例えば、Visaの直近1年間の決済額が2,100万円、Mastercardが500万円の場合、Visaのみディスカウントプログラムが終了し3.24%が適用されます。一方、Mastercardは引き続き2.48%が適用されます。
適用される料率は管理画面上から確認できます。
注意点.02|各カードブランドの決済額は他の決済サービスの利用分も含めた合計額
各カードブランドの決済額は、『Airペイ(エアペイ)』に限らず、他の決済サービスでの売上も含めた直近1年間の合計額で判定されます。
例えば、現在使用している他社端末から『Airペイ(エアペイ)』の「決済手数料ディスカウントプログラム」への切り替えを検討する場合、他社端末での決済額と『Airペイ(エアペイ)』を合算した金額で計算されます。
- 『Airペイ(エアペイ)』での決済額:直近1年間1,200万円(Visa)
- 他社端末での決済額:年間900万円(Visa)
この場合、Visaでの年間決済額は合計2,100万円となり、Visa決済の上限額の2,000万円を超過するため、以降のVisa決済は3.24%が適用されます。
また、これは決済端末での決済に限りません。ECサイトを運営しており、VISAカードでの決済に対応している場合はその決済額も含まれます。
注意点.03|各カードブランドの決済額は店舗単位ではなく、事業者単位で計算
各カードブランドの決済額は店舗単位ではなく、事業者単位で計算されます。例えば、複数店舗を経営している場合は全ての店舗における直近1年間のカード決済額を合算したもので計算されます。
3店舗の居酒屋を経営している場合を見てみましょう。
- 1号店:年間1,000万円(Visa)
- 2号店:年間600万円(Visa)
- 3号店:年間500万円(Visa)
この場合、Visaでの年間決済額は合計2,100万円となり、Visa決済の上限額の2,000万円を超過するため、以降のMastercard決済は3.24%が適用されます。
また、事業者単位で計算するため、実店舗、ネットショップ、キッチンカー、出張販売など、販売形態を問わず、全てのカード決済が合算対象となります。
- 全ての実店舗での決済:年間1,500万円(Visa)
- ECサイトでの決済:年間300万円(Visa)
- 出張販売やイベント出店での決済:年間500万円(Visa)
これら全てのカード決済額が合算され、ブランドごとの年間決済上限額にカウントされます。
まだ、『Airペイ(エアペイ)』を導入にしていない方は、プログラム申請前に『Airペイ(エアペイ)』の加盟店審査に通過する必要があります。以下のページから申込みを済ましておきましょう。
注意点.04|『Airペイ(エアペイ)』以外の他社端末との併用不可
『Airペイ(エアペイ)』の「決済手数料ディスカウントプログラム」の条件には、同サービス以外の信用販売を可能とする端末を利用していないことが含まれます。
- 他社の決済端末を現在使用中の場合は要解約
- 複数の決済事業者の端末を併用している場合は全て解約が必要
なお、ECサイトでのカード決済は併用可能です。実店舗での決済端末のみが併用不可の対象となります。
注意点.05|プログラムへの申込みは、『Airペイ(エアペイ)』の加盟店審査後に専用フォームから行う
「決済手数料ディスカウントプログラム」の申込みは、『Airペイ(エアペイ)』の加盟店審査通過後に専用フォームから行います。
これから『Airペイ(エアペイ)』を導入する場合は、まずは『Airペイ(エアペイ)』を申込みし、審査通過後に専用フォームから申請します。
現時点では新規申し込みと同時にプログラムの申請はできません。
注意点.06|予告なくプログラム内容を変更または終了する場合がある
『Airペイ(エアペイ)』の「決済手数料ディスカウントプログラム」は、現時点で終了予定日が決まっていません。ただし、事前予告なく、内容が変更されたり終了する場合があります。終了後は通常のカード決済手数料3.24%が掛かりますので、ご注意ください。
そのため、ご検討中の方は早めの申込みをおすすめします。なお、『Airペイ(エアペイ)』は契約期間の縛りがないため、「決済手数料ディスカウントプログラム」終了後に解約することも可能です。
「Airペイ(エアペイ)決済手数料ディスカウントプログラム」には契約期間や違約金はある?
『Airペイ(エアペイ)』には契約期間の縛りはありません。「決済手数料ディスカウントプログラム」に参加した場合も、いつでも解約できます。
ただし、『キャッシュレス導入0円キャンペーン』で貸与されたiPadとカードリーダーは、解約時に返却が必要です。返却できない場合は端末代と貸与にかかった諸経費の相当額の負担が必要になるので、ご注意ください。
【他社比較】「Airペイ(エアペイ)決済手数料ディスカウントプログラム」は他社と比べてどのくらいお得?
『Airペイ(エアペイ)』の「決済手数料ディスカウントプログラム」は、業界最安水準の手数料でクレジットカード決済に対応できます。
以下に他社との比較表をまとめました。
決済サービス |
Airペイ |
stera pack |
Square |
PAYGATE
|
PayCAS |
---|---|---|---|---|---|
提供元 | 株式会社リクルート | SMBC GMO PAYMENT株式会社 | Square株式会社 | 株式会社スマレジ | PayPay株式会社 |
初期費用 | 無料※今ならiPadとカードリーダーが無料 | 無料 | 無料※決済端末が必要な場合は4,980円~ | 無料 | 無料 |
月額利用料 |
|
| 無料 | 3300円(税込) | 1980円(税別) |
カード決済手数料 |
|
| 2.50%~3.25% | 2.90%~ | 2.80%~3.24% |
カード決済の対応ブランド | カード決済全7種
VISA
Mastercard
JCB
American Express
Diners Club
DISCOVER
ディスカウントプログラム 2.48%(非課税)
標準プラン 3.24%(非課税)
銀聯(UnionPay)
プラン共通
3.24%(非課税)
| カード決済全7種
VISA
Mastercard
スモールビジネスプラン 1.98%(税別)
スタンダードプラン 2.70%(税別)
お試しプラン 3.24%(税別)
JCB
American Express
Diners Club
DISCOVER
スモールビジネスプラン 2.48%(税別)
スタンダードプラン お試しプラン 3.24%(税別)
銀聯(UnionPay)
プラン共通
3.24%(税別)
| カード決済全6種
VISA
Mastercard
決済手数料
2.50%(非課税)
JCB
American Express
Diners Club
DISCOVER
決済手数料
3.25%(非課税)
| カード決済全7種
VISA
Mastercard
JCB
American Express
Diners Club
DISCOVER
銀聯(UnionPay)
決済手数料
2.90%~※消費税区分は非公開
| カード決済全7種
VISA
Mastercard
決済手数料
2.80%(非課税)
JCB
American Express
Diners Club
DISCOVER
決済手数料
3.24%(税別)
銀聯(UnionPay)
決済手数料
3.24%(非課税)
|
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『Airペイ(エアペイ)』よりも決済手数料が安いのは『stera pack』です。ただし、月額サービス利用料3,300円がかかります。そのため、一定以上の決済額がなければ、『Airペイ(エアペイ)』よりも毎月の負担が大きくなる可能性があります。
具体的な損益分岐点を比較してみましょう。
月額3,300円+決済手数料1.98%~利用できる『stera pack』との比較
月額費用を考慮すると、毎月Visa・Mastercardの決済が66万円以上あれば、『Airペイ(エアペイ)』よりも『stera pack』の方がお得です。
月間決済額 | Airペイ (手数料2.48%) | stera pack (手数料1.98%+月額3,300円) | 差額 |
---|---|---|---|
10万円 | 2,480円(決済手数料) | 1,980円(決済手数料) + 3,300円(月額費用) =5280円 | 2,800円 |
(損益分岐点) | 66万円16,368円(決済手数料) | 13068円(決済手数料) + 3,300円(月額費用) =16,368円 | 0円 |
100万円 | 24,800円(決済手数料) | 19,800円(決済手数料) + 3,300円(月額費用) =23,100円 | -1,700円 |
- VISA・Mastercardの月間決済額が66万円未満の場合は『Airペイ(エアペイ)』がお得
- VISA・Mastercardの月間決済額が66万円を超える場合は『stera pack』がお得
ただし、毎月100万円の決済があっても、差額は1,700円とそれほど大きくありません。月額固定費を避けたい場合や、iPadが無料でほしい方には『Airペイ(エアペイ)』がおすすめです。
「Airペイ(エアペイ)決済手数料ディスカウントプログラム」の申し込み方法
審査結果は登録のメールアドレスに通知されます。
申込内容に不備があると、審査に時間がかかります。申込内容を充分に確認して、間違いがないようにしましょう。
審査通過後に利用店舗宛に端末が配送されます。受け取り後、初期設定を行うと利用開始できます。
『決済手数料ディスカウントプログラム』を申請した方から順次、プログラムの審査が開始されます。プログラムの適用は最短で2024年12月以降となります。
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