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PayPayの決済手数料はいつから有料化?サービス開始から3年後の決済手数料について徹底解説

※当記事は店舗事業者向けの内容です。

2023年9月から実施される入金手数料の改定と対策については以下の記事をご覧ください。

2021年10月以降の決済手数料など変更点については以下の記事をご覧ください。

決済額の3%がキャッシュバックされるお得なキャンペーンについても解説しております。

PayPay(ペイペイ)』は、「QRコードを設置するだけで導入できる手軽さ」「決済手数料(=加盟店手数料)が無料で使える」ことから個人店でも使えるお店を見かける機会が増えました。

「100億円あげちゃうキャンペーン」をはじめ、利用者にとってもお得な還元キャンペーンを行っております。

こういった加盟店・利用者双方にとってメリットのある普及促進を行ったことで、MMD研究所が2020年1月に行った「スマートフォン決済利用動向調査」では、QRコード決済の中でも認知度・利用者ともにダントツ1位という結果でした。

しかし、PayPay(ペイペイ)』の決済手数料(=加盟店手数料)が無料が使えるのは2021年9月末まで。

サービスリリース開始から3年後である2021年10月以降は、決済手数料(=加盟店手数料)が有料化されました。

この記事では、

「2021年10月1日以降のPayPay(ペイペイ)』の決済手数料(=加盟店手数料)はどうなるのか」

という加盟店が気になる疑問について、

  • 決済代行サービス経由での決済手数料(=加盟店手数料)
  • 提携決済サービス利用時の決済手数料(=加盟店手数料)
  • PayPay(ペイペイ)の収益モデル

などさまざまな観点から考察していきます。

PayPayを決済手数料1.60%~導入!

解説記事はこちら

目次

PayPay(ペイペイ)の決済手数料が無料で使える条件とは?

PayPay(ペイペイ)』は、直接契約を行った場合のみ2021年9月末まで決済手数料が無料で利用できます。なお、2021年10月以降の決済手数料は1.60%または1.98%となります。

提携している外国人向けQRコード決済の決済手数料(=加盟店手数料)は?

PayPay(ペイペイ)』では中国のALIPAYと提携しており、希望店舗はALIPAY系列の外国人向けQRコード決済の利用が可能です。

これらのQRコード決済も決済手数料は無料で導入可能でしたが、PayPay(ペイペイ)』より1年先である2020年9月末を持ってに無料期間が終了しました。

2020年10月以降の決済手数料は、「1.98%」です。

2020年9月末まで2020年10月以降
ALIPAY(中国)
ALIPAY HK(香港)
ALIPAY HK(香港)
無料1.98%

これらの決済方法を他の決済サービスで導入した場合の手数料相場は「3.24%」です。

つまり、PayPayでは、外国人向けQRコード決済に業界最低水準の決済手数料で対応できます。

個人店など売上規模が小さいお店で「2%」を切る決済手数料というのは、国内キャッシュレス決済の相場としては前例がないほど低料率と言えます。

決済代行サービス経由のPayPay(ペイペイ)決済の手数料(=加盟店手数料)は?

他の決済事業者が提供する決済サービス経由の場合は以下の決済手数料が適用されます。

  • AirペイQRなど決済代行サービスでの決済時(決済手数料3.24%)
  • 総務省の統一QR決済「JPQR」での決済時(決済手数料1.99%~3.24%)

Airペイ(エアペイ)』など決済代行サービス経由でのPayPay決済は、決済手数料3.24%とカード決済や電子マネー決済など他の決済方法の手数料と横並びです。

総務省主導の統一QR「JPQR」経由でのPayPay(ペイペイ)利用は決済手数料が掛かる

「JPQR」普及事業とは…?
総務省では経済産業省とも連携して、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が策定した決済用統一QRコード・バーコード「JPQR」の普及に向けた実証事業を実施しています。2020年度事業においては、全国の店舗(事業者)さまを対象に6月22日より、WEBサイトからのJPQR申込みを受付ける予定です。

JPQR」は乱立するQRコード決済を一つのQRコードで決済できる政府主導の決済サービスです。

2020年6月時点では、以下のような決済サービスの参画が決定しております。

一つのQRコードで様々な決済サービスを導入できる点は魅力的ですが、PayPay(ペイペイ)』など一部のサービスでは直接契約した場合と決済手数料が異なります。

PayPay(ペイペイ)』の場合は以下の通り。

直接契約時JPQR経由時
2021年3⽉31⽇まで無料1.99%
2021年4⽉1⽇~9⽉30日2.59%
2021年10⽉以降1.60%または1.98%3.24%

PayPay(ペイペイ)』側としては、QRコード決済シェアでトップを走っているサービスのため、競合他社の決済サービスも利用できるJPQRの存在は思わしくないでしょう。

そのため、直接契約した加盟店のみ決済手数料を安く提供し、差別化を図っていると思われます。

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過去のインタビューでは決済手数料からの収益拡大を否定

2019年の「ITmedia」の取材記事によるとPayPay株式会社の馬場副社長が以下のような発言をしております。

『悪いようにはしません』というのが回答です。常に競争していますし、三方(加盟店、ユーザー、PayPay)がよくなる方向を考えています。

実際のところ、決済手数料でこの事業を成り立たせることは難しいと考えていますし、それ以外の方法でのマネタイズを考えています。

上述の通り、カード決済や電子マネー決済のように決済手数料からの収益拡大は考えていなかったようです。

実際に、2021年10月以降から有料化された決済手数料率は1.60~1.98%と1%台と、他のキャッシュレス決済に比べて低い料率が設定されました。

売上規模を問わず、小さな個人商店でも1%台の決済手数料でキャッシュレス対応できるため、これまでカード決済や電子マネー決済の導入に踏み切れなかったお店でも取り入れやすいのではないでしょうか?

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今後の決済手数料はどうなる?引き上げの可能性は?

決済手数料が無料から有料化したPayPay(ペイペイ)』ですが、今後、決済手数料が引き上げられることはあるのでしょうか?

答えは可能性は低いです。

理由としては、キャッシュレス業界の決済手数料は年々引き下げ傾向にあるためです。

例えば、決済代行サービスの手数料相場は3.24%ですが、三井住友カード系の決済サービスstera pack』ではVisa、mastercardの2ブランドの手数料は2.70%とこれまでの相場より0.5%も低い料率で提供をしております。

また、2023年4月にはJCB系の決済手数料引き下げが行われ、これまで3.74~3.95%の決済手数料が3.24%と他社カードブランドと横並びになりました。

このような状況から、安易に決済手数料を高くすれば、加盟店が他の決済サービスへと流れてしまったり、キャッシュレス対応そのものをやめてしまう可能性があります。

さらに、カード決済に対応するには決済端末が必要ですが、導入時に無料提供するサービスも多く、加盟店側は費用負担なく、キャッシュレス対応することが容易になっております。つまり、加盟店がPayPay(ペイペイ)』をやめて他社サービスにすぐに移行できる環境にあるわけです。

また、PayPayの副社長の発言から決済手数料を収益源とするビジネスモデルは採らないことを示しています。むしろ、その他の方法でのマネタイズを模索していることから、決済手数料を引き上げる動きは見られないでしょう。

これらの事情から、今後PayPay(ペイペイ)』の決済手数料が引き上げられることは、極めて低いと言えます。

PayPayは今後、どのようにして収益を上げていくのか?

決済手数料以外の収益を上げる方法として、以下の3つが挙げられます。

  • 支払い情報などによる信用情報のスコアリング化
  • 金融サービスの拡大で利用者から手数料をもらう
  • PayPay(ペイペイ)を通しての広告・プロモーション

支払い情報などによる信用スコアリング化

信用スコアリングの活用が進んでいる中国では「ALIPAY」と連携したスコアリングサービス「芝麻信用(ジーマクレジット)」が社会全体に大きな影響をもたらしております。

日本で信用スコアリングが利用されるのは、住宅ローンや融資時の審査などに限られますが、中国では「芝麻信用(ジーマクレジット)」の信用スコアリングに応じて、さまざまな優遇措置を受けることができます。

例えば、レンタカーやホテル予約の際の保証料が免除されたり、金融ローンの金利が優遇されるなど、身近なシーンに関わる多くに影響があります。

また、信用スコアリングを行うことで、企業がサービスを提供する対象をスコアが高い人のみに限定することで、無駄な経費削減や金銭トラブルを避けることが出来るため、質の高いサービスをより安定して供給することができるわけです。

こうした社会に影響を与えるサービスとしての基盤を気づくことが出来れば、決済手数料など比べ物にならない収益が期待できるでしょう。

金融サービスの拡大で利用者から手数料をもらう

2020年5月28日(木)より、PayPay銀行(旧:ジャパンネット銀行)のカードローンをPayPay(ペイペイ)』アプリ内から利用できるようになりました。

PayPay(ペイペイ)』ではこうした利用者側への金融サービス拡大による収益アップを図っているようです。

現在、PayPay(ペイペイ)』では銀行口座やクレジットカードを紐づけてチャージを行う形で利用します。

現在では、クレジットカードのように利用状況に応じた枠を提供し、後払いできる「PayPayあと払い」を提供しております

今後は、PayPayカード以外のクレジットカードの登録を停止し、PayPayが負担していた他のカード会社に支払う決済手数料の削減と、PayPayカードからの収益アップを図っていくようです。

PayPay(ペイペイ)を通しての広告・プロモーション

PayPay(ペイペイ)』利用者の購買情報を基に、趣向やニーズにマッチした広告配信を提供することでも収益拡大は可能です。

例えば、ラーメン屋であれば、不特定多数ではなく「週2回以上、ラーメン屋でPayPayで支払いしている利用者」に対して、広告配信を行った方が効果的ですよね。

こうしたターゲティング広告はグーグルやSNS上でも配信可能ですが、購買情報に紐づくことでより的確なユーザーに対して広告配信が可能になります。

「PayPayマイストアライトプラン」というサービスに登録した加盟店では、PayPay経由でクーポン広告等を配信できます。月額1,980円に加えて、クーポンが適用された売上の3%が利用料として発生します。

このように、店舗にとっての新たなデジタルマーティングツールとして使われることでの収益拡大もできるわけです。

2021年10月以降の決済手数料率は「2021年8月31日」に公表

PayPay(ペイペイ)2021年10月以降の具体的な決済手数料率は、2021年8月31日に公表されました

PayPayの2021年10月以降の決済手数料
  • 1.60%または1.98%

※月額1980円のPayPayマイストアライトプラン加入で1.60%が適用

当初、2021年3月末に公表予定でしたが、コロナ禍の状況及び経済情勢により、変更したとのことです。

導入店舗からすると、有料化後も継続して使うかどうかの判断に重要なポイントになるため、少しでも早く具体的な決済手数料を公表してほしかったでしょう。

しかし、PayPay(ペイペイ)側としても、決済手数料を出し惜しみしたいというわけではなく、コロナ禍の影響が大きい中での手数料有料化となるため、ギリギリまで検討を重ねていきたいということで公表が先延ばしになってしまったと考えられます。

まとめ

以上、PayPay(ペイペイ)の決済手数料有料化について解説しました。

元々、決済手数料が無料で導入できることから個人店から中小店舗までさまざまなお店で導入が進んだPayPay(ペイペイ)。現在は、有料化されたものの1%台と他の決済サービスに比べて安価な料率で利用できます。

今後の収益拡大に併せて、様々なサービス展開が期待できるPayPay(ペイペイ)ですが、そのシェアを年々伸ばしており、QRコード決済における利用率は他社を抑えてトップです。

また、PayPayが実施している「ポイント還元キャンペーン」は、加盟店側の負担無く集客促進に繋がります。PayPay(ペイペイ)の導入はQRコードの設置のみと無料で簡単にできるので、導入に迷っている方はとりあえず導入を進めてみてはいかがでしょうか?

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