事業者間取引では、商品やサービスの代金を特定の期日に支払う『請求書払い』で成り立っていることほとんどです。
『請求書払い』の支払い方法は銀行振込が一般的ですが、最近ではクレジットカード決済に対応した請求書発行が可能なサービスが増えてきました。
この記事では、クレジットカード決済可能な請求書を発行するメリットとデメリットを解説した上で、対応可能なサービスの中でおすすめのものを3つほど紹介していきます。
クレジットカード決済可能な請求書を発行するメリット
クレジットカード決済可能な請求書を発行するメリットは、以下のようなことが挙げられます。
- 代金の未払い防止
- 新規取引先への与信確認が不要
- 取引先にも多くメリットがある
一つずつ見ていきましょう
代金の未払い防止
事業者間取引では、売掛金による掛取引が一般的な取引方法です。
販売代金を「後払い」にするため、取引先の業績悪化などで売掛金の回収が遅れてしまったり、最悪の場合は回収できないリスクがあります。
決済方法としてクレジットカード決済に対応することで、代金の未払い防止に役立つ以下のような取引が可能になります。
- 事前決済/前払いでの取引
- 自動引き落としによる継続課金
銀行振込の場合、取引先が事前決済・前払いに応じるメリットはほとんどありません。
しかし、クレジットカード決済の場合、振込手数料が掛からない、キャッシュフローにゆとりが生まれるなど、取引先にとってのメリットも多いです。そのため、事前決済・前払いならカード決済に対応するといった形で交渉が可能になります。
また、毎月定額で取引を行っている場合、自動引き落としによる継続課金を行うことも可能です。
もちろん、対個人向けの請求書発行も行えるため、宿泊予約やレストラン予約時の前払い等、無断キャンセル対策としても活用することができます。
このようにカード決済に対応することで、代金が回収できなくなるリスクコントロールに繋がります。
新規取引先への与信確認が不要
ビジネスを行う上で、取引先が売掛金をきちんと支払う能力があるのか、事前確認することは非常に重要です。
法人カードを発行する場合、個人でクレジットカードを発行するのと同じく審査を受ける必要があります。
法人カードの審査では、主に以下の3点がチェックされます。
- 事業年数
- 財務状況
- 代表者の信用情報
このことから「カード決済での取引ができる=信頼できる取引先である可能性が高い」ことがわかります。
取引先にも多くメリットがある
カード決済可能な請求書を発行することで、取引先に多くのメリットが生まれます。
具体的には以下のようなことが挙げられます。
- キャッシュフローにゆとりが生まれる
- 支払業務の簡素化
- 振込手数料が掛からない
- ポイントが貯まる
こうした利便性やお得感が取引先に好印象を与え、継続的な取引や新規顧客開拓時の武器の一つになるでしょう。
クレジットカード決済可能な請求書を発行するデメリット
メリットでは、代金の回収や取引先の与信など、信用に関わる点が多く挙げられました。
一方、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- 決済手数料が掛かる
- 決済額に上限がある
一つずつ見ていきましょう。
決済手数料が掛かる
クレジットカード決済は加盟店(=請求書の発行元)が3%前後の決済手数料を負担します。
銀行振込であれば、取引先に振込手数料を負担してもらうことが一般的ですが、カード決済の場合は逆です。
ただし、銀行振込のように振込手数料が掛からないので、取引先にとってはメリットとなります。
決済額に上限がある
決済額の上限は、法人カードであっても数百万円といった場合が多く、あまりに高額な取引には使えません。
これは取引先のクレジットカードの利用状況によるので、全ての取引をカード決済にするのは困難でしょう。
そのため、取引先によって「カード決済」か「銀行振込」か、異なる支払い方法で対応する必要が出てくる点もデメリットの一つといえるでしょう。
クレジットカード決済可能な請求書発行ができるサービス3選
それでは、クレジットカード決済可能な請求書発行ができるサービスの中で、おすすめのものを3つご紹介致します。
ここで紹介するサービスは全て、法人はもちろん、個人事業主でも利用可能です。
【Square請求書決済】事前決済・カード自動引落しにも対応!
- 事前決済や前払い、カード自動引き落としまで幅広い決済手段に対応
- 国際カードブランド6種類に対応
- 入金サイクルは最短翌日とキャッシュフロー面でも安心
導入期間 | 申込から最短15分 |
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初期費用 | 無料 |
月額固定費 | 無料 |
決済手数料 | 3.25~3.95% |
決済方法 | Visa 決済手数料3.25% Mastercard 決済手数料3.25% AMEX 決済手数料3.25% JCB 決済手数料3.95% Diners Club 決済手数料3.25% Discover 決済手数料3.25% |
入金手数料 | 無料 |
入金サイクル | 最短翌日 |
事前決済/前払い | 対応 |
カード自動引落し/継続課金 | 対応 |
店舗決済からオンライン決済まで、多くの機能を提供する『Square(スクエア)』。
カード決済可能な請求書発行ができる『Square 請求書』は、代金の未払い防止に役立つ「事前決済/前払い」「カード自動引落し/継続課金」にも対応しております。
対応可能なカードブランドの種類も多く、後述する二社では未対応かつ国内利用者が多いJCB決済にも対応しております。
また、『Square 請求書』以外にも、POSレジ機能や勤怠管理、ネットショップ作成等、様々な機能を提供しております。
契約の縛りや月額固定費などはなく、カード決済時に掛かる3%台の決済手数料のみで利用可能です。これらの機能はカード決済を行わなければ無料で利用可能です。
『Square(スクエア)』では、決済を中心とした全てのビジネスに役立つ機能が充実しているため、事業を営んでいる方であればアカウントを開設しておくべきサービスと言えます。
【申込無料】アカウント開設はこちら
【マネーフォワード クラウド請求書】業務効率を大幅に改善する機能が豊富
- 決済手数料1.99%~と安価
- 業務効率を大幅に改善する機能が豊富
導入期間 | 申込翌日から最短8営業日 |
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初期費用 | 無料 |
月額固定費 | 【個人事業主】800円/月~、【法人】2,980円/月~ ※1ヶ月無料トライアルあり |
決済手数料 | 【一般消費者宛て】1.99~3.19% 【企業・個人事業主宛て】1.99~2.49% |
決済方法 |
VISA
決済手数料2.49~3.19%
Mastercard®
決済手数料2.49~3.19%
セゾン
決済手数料1.99%
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入金手数料 | 入金1回辺り220円 |
入金サイクル | 月3回締め15日後払い |
事前決済/前払い | 対応 |
カード自動引落し/継続課金 | 非対応 |
会計ソフトや勤怠管理などお金に関わる様々なサービスを提供する『マネーフォワードクラウド』。
『マネーフォワード クラウド請求書』では、事前に審査を受けることでカード決済可能な請求書の発行が可能です。
対応可能な決済ブランドは国際ブランド2種(VISA、MasterCard)、国内ブランド1種(セゾン)と限定的ですが、決済手数料が1.99%~と安価です。
ただし、『カード自動引落し/継続課金』には対応しておりません。そもそもカード情報を登録し、自動引き落としするような機能が備わっておりません。
また、『マネーフォワード クラウド請求書』はマネーフォワードクラウドで提供される機能の一つです。そのため、マネーフォワードクラウドの利用料が毎月掛かります。
『マネーフォワード クラウド請求書』は単体利用ではなく、「会計業務や請求業務、経費精算、確定申告などで『マネーフォワードクラウド』を利用している」または「今後利用する予定がある方向けのサービス」といえるでしょう。
【STORES 請求書決済】多言語対応の請求書作成が可能
- 6種の言語に対応した請求書が発行できる
- 今なら実店舗決済で使えるカードリーダーが無料
導入期間 | 申込翌日から最短 2営業日 |
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初期費用 | 無料 |
月額固定費 | 無料 |
決済手数料 | 3.24% |
決済方法 | Visa 決済手数料3.24% Mastercard 決済手数料3.24% |
入金手数料 | 無料 ※10万未満の入金時は200円(税込) |
入金サイクル | 月1回or翌々営業日 ※月1回の場合は自動入金 ※翌々営業日の場合は管理画面から手動入金 |
事前決済/前払い | 非対応 |
カード自動引落し/継続課金 | 非対応 |
店舗向け決済サービスである『STORES 決済 (旧:Coiney) 』。
対面決済のみならず、カード決済可能な請求書発行が可能です。
対応可能な決済ブランドは、VISA/MasterCardのみと限定的ですが、契約の縛りや月額費用はありません。
前述した『Square 請求書』と比べると決済手数料が若干安価、『マネーフォワード クラウド請求書』と比べると月額費用が掛からない点が優れております。
また、作成した請求書は多言語対応しているため、外国人向けにビジネスを行っている方におすすめです。
- 日本語
- 英語
- 繁体字中国語
- 簡体字中国語
- 韓国語
- タイ語
ただし、『事前決済/前払い』『カード自動引落し/継続課金』ともに加盟店規約で禁止されているため、用途は限定的です。
【多言語対応】店舗決済にも対応
【まとめ】カード決済可能な請求書発行ができるサービスを選ぶべきポイントとは?
以上、クレジットカード決済に対応した請求書発行についてのメリット、デメリット、おすすめのサービスを紹介してみました。
事業者間取引にカード決済を導入するメリットの多くは信用に関わるものや、代金の未払い防止に役立つため、個人事業主など立場が弱くなりやすい小規模事業者にもおすすめです。
3つのサービスを紹介しましたが、選ぶポイントは以下の通り。
- 事前決済/前払いに対応したい
- カード自動引落し/継続課金に対応したい
- VISA、MasterCardの他にJCB、AMEXにも対応したい
- 現金化までスピードを重視する
【申込無料】アカウント開設はこちら
- 少しでも安価な決済手数料で利用したい
- 会計業務を『マネーフォワードクラウド』で行っている
- 多言語対応したい
- 店舗事業も行っており、対面決済でのキャッシュレス導入も検討している
【多言語対応】店舗決済にも対応
最大のメリットであ代金の未払い防止を目的とするのでしたら、『事前決済/前払い 』『カード自動引落し/継続課金』に対応しているのは『Square(スクエア)』がおすすめです。
『Square(スクエア)』では、決済を中心とした全てのビジネスに役立つ機能が充実しております。アカウント開設は無料かつ、月額費用などの維持費は一切掛からないので、事業を営んでいる方でしたら、とりあえずアカウントを作ってみてはいかがでしょうか。
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