飲食店の集客方法としてグルメサイトへの掲載を検討しているオーナーさんも多いと思います。
「もっとお客さんを集客したいけど、お金をかけると回収できるか不安」
「利益が残らないからなるべくお金をかけたくない」
ウェブ集客に慣れていないとやっぱり不安ですよね。
現在、インターネット上では飲食店向けのサービスやグルメサイトが多く、中には無料で利用できるものもあります。
この記事では、過去7年以上に渡って飲食店のウェブ集客を経験してきた私がグルメサイトを中心に「無料掲載の可否」、その中でも「集客効果に期待できるもの」、「無料でできること」について解説していきます。
【9つのグルメサイト・サービスで比較】無料掲載の可否と登録の必要性
グルメサイト・サービスの中でも、利用者が多く、知名度が高いものを9つピックアップしました。
各サイトの無料掲載の可否と登録の必要性は以下の通り。
グルメサイト・ サービス | 無料掲載の可否 | 無料掲載の必要性 |
---|---|---|
グーグル マイビジネス | 〇 | ◎ |
食べログ | 〇 | 〇 |
Retty(レッティ) | 〇 | 〇 |
favy(ファビー) | 〇 | △ |
ホットペッパー グルメ | △ | × |
ぐるなび | △ | × |
ヒトサラ | × | × |
一休ドットコム | × | × |
オズモール | × | × |
上述から無料掲載でも集客に期待が出来るサイトは以下の4つです。
- グーグルマイビジネス
- 食べログ
- レッティ
- favy(ファビー)
何故、上述のグルメサイト・サービスは無料でも集客に期待が出来るかというと…
- 無料でも掲載できる情報量が多い
- 口コミ・レビュー等、独自的なコンテンツがある
- 広告以外での店舗ページへのアクセス経路を確保しやすい
というような理由が挙げられます。
「ホットペッパーグルメ」「ぐるなび」も無料掲載可能ですが、掲載できる情報が限定的かつ、ユーザーの目にほとんど触れることがありません。
これは「ホットペッパーグルメ」「ぐるなび」は広告の側面が強く、サイト内での店舗掲載順のほぼすべてが掲載料が高い順に表示されるからです。
この2サイトは周辺店舗より高額な掲載料を支払うことで、サイト内での露出が増えるため、即効性の高い集客に期待が出来るのです。
それでは、「無料掲載でも集客に期待が出来るグルメサイト」について、一つずつ解説していきます。
無料でも集客出来るおすすめのグルメサイト・サービス4選
グーグルマイビジネス
飲食店に限らず、店舗型ビジネスを展開する場合、『グーグルマイビジネス』への登録は非常に重要な役割を持っています。
- グーグルマップ上の店舗情報の編集
- 投稿機能を使った情報発信
例えば、「立川 焼き鳥」と検索してみましょう。
すると検索結果には「立川 焼き鳥」というキーワードを関連性の高い店舗が3店舗表示されます。
また、「さらに表示」をクリックすることでグーグルマップが開かれ、立川周辺の焼鳥を提供する店舗が表示されます。
マップ情報は、ウェブ上から自動収集したり、ユーザーが投稿した情報を元に日々更新されるわけですが、『グーグルマイビジネス』へ管理者登録することで、お店側が様々な情報を編集することが出来ます。
- ①店舗名称
- ②業態・ジャンル
- ③MAP・住所
- ④営業時間
- ⑤特別営業時間…年末年始・お盆など営業時間が変わる場合は日付を指定して営業時間の設定ができる。
- ⑥電話番号
- ⑦略称…正式名称とは別に略称があれば入力。
- ⑧ウェブサイトURL…ホームページURLの他に「メニューURL」「事前注文のURL」「予約URL」の設定が。
- ⑨メニュー…具体的なメニューを1品ずつ登録出来ます。
- ⑩基本情報…「支払い方法」「サービス」「バリアフリー」「プラン」「客層」「特徴」「設備」「食事」の4項目から選択式で設定ができる。
- ⑪店舗紹介文
- ⑫開業日
- ⑫写真の登録
こうした情報をお店側がグーグルに知らせることで、関連性の高いキーワードで検索した際にお店情報が表示されるようになります。
マップ情報を元にお店を探す人は「今から使えるお店を探している」可能性が高く、グーグル上での表示の有無はとても重要です。
当然ながら、飲食店が密集しているエリアは競合が多いため、「エリア + 業態」といったキーワードでの上位表示させることは難しいです。
マップ情報を意図的に上位表示させることを「MEO(ローカルSEO)対策」と言います。
また、『グーグルマイビジネス』へ登録する必要性は、単に集客だけではありません。
お店の名前で検索した場合、マップ情報が表示されることでお客さんが道に迷うことがなくなります。
単純にお客さんの利便性向上に繋がるだけでなく、道案内の電話が減るといったメリットもあるわけですね。
既にグーグルマップに表示されていても、掲載されている情報に間違いがあったり、情報が不足していることが多いため、店舗側で情報を編集できるよう『グーグルマイビジネス』へ登録しておくことをおすすめします。
【食べログ】無料店舗会員
国内グルメサイトでは、利用者数・月間ページビューともに最も多く、良くも悪くも知名度が高いのが『食べログ』です。
ネット上では「食べログの点数は当てにならない」というような声を多く見かけますが、その評点が集客に大きく影響していることも事実です。
『食べログ』では有料掲載を行うことで、標準検索において優先表示されますが、ホットペッパー・ぐるなびと違い、口コミ件数・点数の高さによって検索することが可能です。
つまり、広告(有料掲載)以外での店舗ページへのアクセス経路を確保することが可能です。
※ネットで噂される有料プランによる点数操作については別の記事で解説予定
もちろん点数が低い場合には、集客効果を実感しにくいですが、無料掲載でもページ情報を充実させることである程度アクセスを伸ばすことが出来ます。
具体例として、私が過去に運用していた『食べログ』無料ページのアクセス情報を公開します。
※2016年8月から無料掲載開始
※2017年4月から有料プランに移行
業態やページの作りにもよりますが、経験上、2000pv取れれば少なくとも月間20件ほどの予約に期待が出来ます。
お金をかけずにこれだけ集客できるのであれば、やらない手はないですよね。
上記の店舗は、特に口コミが多いとか高い点数がついているわけではありませんが、口コミが増え、点数が高くなればなるほど集客が増えていきます。
また、ウェブ上に情報がないお店の場合、ホームページ代わりとしても利用することが出来ます。
有料掲載店舗と比べると機能が制限されたり、ページ内に広告が表示されますが、メニュー情報や写真の登録を行うことが出来るので、最低限お客さんが知りたい情報を掲載することが出来ます。
「勝手に掲載して、勝手に口コミ書かれるのが気に入らない」と『食べログ』を嫌うお店が多いですが、利用者も多い分、集客力にも優れてます。
良い口コミが増え、高い点数がつけば集客に繋がるだけでなく、お店としての信用にも繋がります。
繁盛店はこの事実を受け入れ、『食べログ』を上手く利用しているわけです。
誹謗中傷といった悪質な口コミは削除されますし、多少マイナスの口コミは第三者目線での意見ですから、良いお店作りのための意見としても活用出来ます。
『食べログ』は、無料掲載の申請をしなくても勝手に情報が掲載されるため、間違った情報のまま掲載されていることもあります。
無料店舗会員に登録することで、こうした情報をお店側で編集できます。
多少、面倒でも集客効果のあるグルメサイトですから、無料店舗会員に登録しておくべきでしょう。
【Retty(レッティ)】無料お店会員
他のグルメサイトと比べると後発組である『Retty(レッティ)』。
食べログ同様にグルメ系口コミサイトととして、近年、利用者が増えているグルメサイトです。
- Facebook・LINE等と連携しており実名制が高い
- 口コミは評点機能がなく、おすすめ情報のみ
- 口コミに文字数制限がない
同じグルメ系口コミサイトである食べログと比較しつつ、違いについて解説していきます。
食べログの場合、電話番号認証機能が実装されてますが、認証せずとも利用可能です。
『Retty(レッティ)』は、Facebook・LINEと連携しており、口コミには実名が表示されます。
また、評点機能がなく、口コミは利用者がおすすめしたい情報のみ投稿することが出来ます。
食べログがお店から嫌われる要因の一つとして、「誰かもわからないユーザーの辛口目線の口コミ」が気持ち悪い点が挙げられます。
『Retty(レッティ)』の場合、実名制が高く、「美味しかった」など一言での口コミ投稿が出来るため、気軽さに優れております。
また、口コミは利用者が人におすすめしたいと感じた情報を投稿する仕組みのため、批評といった辛口口コミが投稿されることはありません。
気になる無料掲載の集客効果は、残念ながら食べログほど期待出来ません。
しかし、一定の口コミが入ると「人気店マーク」がつきます。
「人気店マーク」が付いたお店のみ表示される絞り込み機能が実装されているため、「人気店マーク」がつくことでページへのアクセスアップに期待が出来ます。
また、SNSとしての側面も持っており、特定ユーザーをフォローすることで、そのユーザーが口コミ投稿したり、行きたいなど、お店に対してアクションを起こすと通知されます。
フォロワーが多いユーザーがこういったアクションを起こすことで、ページへのアクセスが上がり、予約に繋がるといったこともあります。
店舗情報は、食べログ同様にユーザーが登録することが出来ます。
そのため、掲載情報に誤りがあることも少なくないため、無料お店会員として登録しておくことをおすすめします。
『Retty(レッティ)』の最も優れている点は、無料であっても掲載可能な情報が多く、有料掲載と見た目に大きな違いがありません。
ホームページ代わりとして利用するのであれば、食べログより『Retty(レッティ)』の方が優れていると言えるでしょう。
『Retty(レッティ)』の無料掲載手順は以下の記事を参考にしてみてください。
【favy(ファビー)】favyフリー会員
『favy(ファビー)』もRetty(レッティ)同様に後発組のグルメサイトです。
既存のグルメサイトとはその性質が全く異なっており、外食に特化した「キュレーションメディア」です。
「キュレーション」は美術館や博物館の「キュレーター」から派生した言葉で、キュレーションメディアとは「特定の切り口でインターネット上にある情報を選定し、公開するメディア」のことです。
出典:ferret
有名なものだと「NAVERまとめ」を挙げるとイメージしやすいでしょう。
NAVERまとめの場合、会員登録することで誰でも好きに記事を書くことが出来ますが、『favy(ファビー)』はライターを選考しているため、質の高い記事が非常に多いです。
『favy(ファビー)』が飲食店向けに行っている主なサービスは以下の通り。
- 第三者目線での紹介記事の執筆
- SNSを活用したプロモーション
- 簡易的なホームページを作れる「favyページ」
上記は無料会員であっても利用することが出来ます。
※①②は有料会員優先。無料会員になることで不定期的に無料紹介の案内を受け取れます。
③の「favyページ」は、食べログ、レッティの無料掲載とは異なり、「独自ドメインの利用が出来る」「ネット予約機能が使える」といった利点があります。
独自ドメインとは、世界に1つしかないオリジナルのドメインのことです。 法人・個人に関わらず、自分で好きな文字列を指定して取得することができます。 一度取得したら更新し続ける限り、自分専用のドメインとして会社のホームページやメールアドレス、個人のブログサイトなどに利用することができます。
出典:お名前.com
当サイトの場合、独自ドメインは「4byss.co.jp/hirakulog」です。
独自ドメインを利用することで、専用のメールアドレスが取得出来たり、ホームページの移転が用意になるなど様々な利点があります。
「favyページ」は「スマホ一台で誰でも飲食店のホームページが作れる」わけですが、非常に簡易的です。
「簡単に作れる=簡易的」であるため、掲載できる情報量が限定的です。
「もっとおしゃれなホームページを作りたい」といった際に、独自ドメインを利用することでサイトアドレスをそのままにホームページを作り替えることが可能です。
ショップカードや名刺といった印刷物を作り替える必要がないわけですね。
もちろん、「favyページ」は利用せず、プロモーションだけといった利用も可能です。
最近では、飲食店向けのサブスクリプション(月額課金)サービスをお客さんに提供できるサービス等も展開しており、今後も注目のメディアです。
『favy(ファビー)』は既存のグルメサイトとは違った切り口でのプロモーションしてもらえるため、無料登録しておくことをおすすめします。
無料掲載に大きな期待は禁物
この記事でおすすめしているグルメサイト・サービスは、比較的、無料でも効果が期待できるものばかりですが、過度な期待は禁物です。
『グーグルマイビジネス』を除く、グルメサイト・サービスはあくまで有料掲載してもらうことを目的として無料でサービスを提供しております。
「無料で効果を実感できる」ということは有料掲載にすることでより大きな集客に期待できるわけです。
「食べログ」「Retty(レッティ)」「favy(ファビー)」は有料プランの費用が比較的リーズナブルなので、無料掲載である程度集客が実感出来れば有料掲載を検討してみると良いでしょう。
まとめ
無料掲載可能なグルメサイト・サービスの中でも集客効果に期待ができるものについて解説してきました。
時代が進むにつれて、飲食業界に関するサービスも増えております。
無料だからといってむやみやたらにサービスを登録すると管理が大変です。
本記事では、7年以上、様々なグルメサイトに触れてきた私が実践的に効果を感じることが出来たものをおすすめしております。
お金をかけずに集客したい飲食店オーナーさんはぜひお試しください。
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