決済代行サービス各社の入金サイクル・振込手数料比較｜売上の振り込みが早いサービスはどれ？

2024年10月29日

浅井啓太郎（HIRAKULOG管理人）

決済代行サービス各社の入金サイクル・振込手数料比較｜売上の振り込みが早いサービスはどれ？

入金サイクルとはキャッシュレス決済を行った売上が現金として振り込まれるまでの日数・頻度を指します。

クレジットカードやPayPayなどキャッシュレス決済で支払いを受け付けた売上は、決済代行サービス各社が設定した入金日に後日振り込まれます。

そのため、事業資金に余裕がなかったり、現金仕入れが多い場合、入金サイクルが少しでも早い決済代行サービスを選ぶ必要が出てきます。

入金サイクルを重視すべき事業者

事業資金に余裕がない
現金仕入れが多い

この記事では、個人事業主など小規模事業者でも導入できる決済サービス7社に絞り、各社の入金サイクルを比較していきます。

決済代行サービス各社の入金サイクル・振込手数料一覧

以下の表の通り、入金サイクルや振込手数料は振込先の金融機関や入金額などによって変わるものがほとんどです。

スクロールできます

サービス	最短入金サイクル	入金サイクル	振込手数料
Square(スクエア)	翌営業日	三井住友、みずほ銀行は翌営業日その他の金融機関は週1回 ※週1回入金＝毎週木～翌週水曜日までの売上が翌週金曜日に入金	無料
STORES 決済 (旧:Coiney)	翌々営業日	月1回翌々営業日 ※任意で選択可※翌々営業日の場合は管理画面から振込依頼が必要	無料※手動入金の場合、振込金額が10万円未満の場合、200円/回
Airペイ(エアペイ)	月6回	三井住友、みずほ、三菱UFJ銀行は月6回その他の金融機関は月3回 QRコード決済分のみ月1回	無料
stera pack	月6回	月6回締め2営業日後払い月2回締め2営業日後払い月2回締め15日後払い ※任意で選択可※一部の業種・取り扱い商材は月2回締め15日後払い	三井住友銀行は無料※他行は1回辺り220円
楽天ペイ	翌日	楽天銀行は翌日入金他行は管理画面から振込依頼後、翌営業日に入金	楽天銀行は無料 ※他行は1回辺り330円
PayPay（直接契約）	翌日	月1回 ※最短翌日入金の早期振込サービスあり	無料
PAYGATE	月2回	月2回 QRコード決済分のみ月1回	無料

各サービスごとに入金サイクルを詳しく解説していきます。

Square(スクエア)の入金サイクル

『Square(スクエア)』は振込先口座のよって入金サイクルが変わります。

金融機関	入金サイクル	決済から入金までの日数	振込手数料
三井住友、みずほ銀行	翌営業日	1～3日	無料
その他の金融機関	週1回	2～9日	無料

振込先口座が「三井住友銀行」または「みずほ銀行」の場合、翌営業日に入金されます。

その他の金融機関の場合、毎週木曜日から翌週水曜日までの決済額が翌週金曜日に振り込まれます。週1回と入金サイクルは少なくなってしまいますが、金融機関を問わない点を考慮すると優れた入金サイクルと言えます。

さらに金融機関を問わず振込手数料は無料です。

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STORE決済の入金サイクル詳細

『STORES決済』は金融機関を問わず、入金処理の設定によって入金サイクルが異なります。

入金処理の設定	入金サイクル	決済から入金までの日数	振込手数料
自動入金	月1回	20～51日	無料
手動入金	翌々営業日	2～4日	入金額10万円以上…無料入金額10万円未満…200円

入金処理の設定は管理画面上から行うことができます（初期設定は手動入金）。

自動入金は加盟店側で特別な操作が必要なく、前月分の決済額が翌月20日に振り込まれます。入金額を問わず振込手数料は無料です。

手動入金は管理画面上から振込依頼をすることで翌～翌々営業日に振り込まれます。振込依頼は決済日の翌日以降からできるため、最短翌々営業日と入金サイクルは早いです。

ただし、手動入金は管理画面から都度操作が必要な点や、入金額が10万円未満の場合は振込手数料が掛かるといったデメリットがあります。

また、通常時は自動入金で緊急でお金が必要になったら手動入金といった形で両方を併用することはできません。

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Airペイ(エアペイ)の入金サイクル詳細

『Airペイ(エアペイ)』は振込先口座によって入金サイクルが変わります。また、QRコード決済の売上分のみ異なる入金サイクルが適用されます。

金融機関・決済方法	入金サイクル	決済から入金までの日数	振込手数料
三井住友、みずほ、三菱UFJ銀行	月6回	6～11日	無料
その他の金融機関	月3回	6～16日	無料
AirペイQR決済分	月1回	28～62日	無料

振込先口座が「三井住友銀行」「みずほ銀行」「三菱UFJ銀行」のいずれかの場合、入金サイクルは月6回です。

以下の通り、締め日は5日ごと、その5日後に入金されます。

Airペイ(エアペイ)月6回入金の詳細

決済日	締日	入金日
前月末日～4日	5日	10日
5日～9日	10日	15日
10日～14日	15日	20日
15日～19日	20日	25日
20日～24日	25日	末日
25日～末日前日	末日	翌月5日

その他の金融機関の場合、入金サイクルは月3回です。

以下の通り、締め日は10日ごと、その5日後に入金されます。

Airペイ(エアペイ)月3回入金の詳細

決済日	締日	入金日
前月末日～9日	10日	15日
10日～19日	20日	25日
20日～末日前日	末日	翌月5日

また、QRコード決済の売上分のみ金融機関を問わず月1回です。前月分の決済額が翌月末日に振り込まれます。

Airペイ(エアペイ)QRコード決済分の入金詳細

決済日	締日	入金日
1日～末日	末日	翌月末日

QRコード決済は年々利用者が増加傾向にあるため、お店によっては決済額が高額になる場合があるので、資金繰りに余裕がない場合は注意が必要です。

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解説記事はこちら

stera packの入金サイクル詳細

『stera pack(ステラパック)』の入金サイクルは3種類から選択することができます。

入金サイクル	決済から入金までの日数	振込手数料
月6回(2営業日後払い)	2～7日	三井住友銀行…無料その他の金融機関…1回辺り220円
月2回(2営業日後払い)	2～17日	三井住友銀行…無料その他の金融機関…1回辺り220円
月2回(15日後払い)	15～31日	三井住友銀行…無料その他の金融機関…1回辺り220円

「月6回(2営業日後払い)」では締め日は5日ごと、その2営業日後に入金されます。『Airペイ(エアペイ)』も入金回数は月6回ですが、『stera pack(ステラパック)』の方が締め日から入金までの期間が若干短いです。

stera pack月6回(2営業日後払い)入金の詳細

決済日	締日	入金日
1～5日	5日	7日
6日～10日	10日	12日
11日～15日	15日	17日
16日～20日	20日	22日
21日～25日	25日	27日
26日～末日	末日	翌月2日

「月2回(2営業日後払い)」では締め日は毎月15日と末日の2回、その2営業日後に入金されます。

stera pack月2回(2営業日後払い)入金の詳細

決済日	締日	入金日
1～15日	15日	17日
16日～末日	末日	翌月2日

「月2回(15日後払い)」では締め日は毎月15日と末日の2回、その15日後に入金されます。

stera pack月2回(15日後払い)入金の詳細

決済日	締日	入金日
1～15日	15日	当月末
16日～末日	末日	翌月15日

入金サイクルだけを見れば「月6回(2営業日後払い)」を選択するべきですが、振込先口座が三井住友銀行以外の場合、1回当たり220円の振込手数料が掛かってしまいます。

そのため、三井住友銀行以外の口座で「月6回(2営業日後払い)」を選ぶと毎月1320円の無駄な手数料が発生してしまうので、申込と併せて三井住友銀行の事業用口座を開設することをおすすめします。

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楽天ペイの入金サイクル詳細

『楽天ペイ』は振込先口座のよって入金サイクルが変わります。

金融機関	入金サイクル	決済から入金までの日数	振込手数料
楽天銀行	翌日入金	1日	無料
その他の金融機関	翌営業日入金	1～3日	1回辺り330円

振込先口座が「楽天銀行」の場合、土日祝を問わず決済日の翌日に入金されます。また、振込手数料が無料です。

一方、その他の金融機関の場合、最短翌営業日に入金されます。

金融機関を問わず入金サイクルは早いですが、楽天銀行以外では管理画面上から振込依頼を行う必要があり、入金1回当たり330円の振込手数料が発生します。

振込先が楽天銀行であれば最も入金サイクルが優れたサービスですが、その他の金融機関での利用はあまりおすすめできません。

『楽天ぺイ』を利用するのであれば楽天銀行の事業用口座も併せて開設すると良いでしょう。

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PayPay(直接契約)の入金サイクル詳細

国内のQR決済シェアトップの『PayPay(ペイペイ)』は決済代行サービスを介さずともに加盟店契約ができます。

直接契約した場合、基本的な入金サイクルは金融機関を問わず月1回です。

ただし、すぐに振込が必要な場合に便利な「早期振込サービス」を利用する場合は金融機関によって入金サイクル・振込手数料ともに違いが出てきます。

振込処理の設定	入金サイクル	決済から入金までの日数	振込手数料
通常	月1回	1～34日	無料
早期振込サービス（PayPay銀行）	翌日入金	1日	入金額の0.38％+20円
早期振込サービス（その他の金融機関）	翌営業日入金	1～3日	入金額の0.38％+200円

基本的な入金サイクルは月1回ですが、月末締め最短翌日払いとなります。

PayPayの通常時の入金サイクルの詳細

決済日	締日	入金日
1～末日	末日	PayPay銀行は翌日その他の金融機関は翌営業日

また、「早期振込サービス」は手数料が発生する代わりにすぐに決済分を入金してもらえるサービスです。

早期振込サービス詳細

金融機関	入金日	振込手数料
PayPay銀行	翌日入金	入金額の0.38％+20円
その他の金融機関	翌日入金	入金額の0.38％+200円

ちなみに「早期振込サービス」は管理画面上から振込依頼を行う方法と、決済額の合計が一定額を超えたら自動的に振込まれる方法が用意されております。

どちらも振込手数料は変わりありませんが、PayPay銀行の方が振込手数料は安く、入金サイクルも若干早いのでPayPayを超苦節契約して導入する場合はPayPay銀行の事業用口座を併せて開設すると良いでしょう。

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PAYGATEの入金サイクル詳細

『PAYGATE』の入金サイクルは金融機関を問わず月2回、ＱＲ決済分のみ月1回です。また、金融機関と入金額によって振込手数料が変わります。

金融機関・決済方法	入金サイクル	決済から入金までの日数	振込手数料
金融機関を問わず	月2回	13～31日	無料
QRコード決済分	月1回	28～62日	無料

『PAYGATE』は他社サービスと比較すると入金サイクルが遅く、振込手数料が高いです。

PAYGATEのカード・電子マネー決済の入金詳細

決済日	締日	入金日
1～15日	15日	当月末日
16日～末日	末日	翌月15日

PAYGATEのQRコード決済の入金詳細

決済日	締日	入金日
1～末日	末日	翌月末日

正直なところ、入金サイクルを重視する方にはあまりおすすめできません。

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結局、入金サイクルで選ぶならどれ？

入金サイクルと併せてチェックしておくべきなのは振込手数料です。

振込手数料が有料の決済サービスでは入金1回ごとに手数料が掛かるため、入金サイクルが多ければ多いほど負担する手数料も増えてきてしまうためです。

振込手数料は振込先口座によるため、金融機関別におすすめの決済代行サービスをまとめると以下の通り。

金融機関	決済代行サービス
三井住友銀行	Square(スクエア) stera pack
みずほ銀行	Square(スクエア)
楽天銀行	楽天ペイ
上記以外の金融機関	Square(スクエア)

決済代行サービスを選ぶ上で入金サイクルは重要な指標の一つです。

他にも導入費用や決済手数料、対応可能な決済ブランドなど加味した上でサービスを選んでみてください。