決済サービス『Square(スクエア)』では、2025年12月23日より新サービス「即時入金サービス」の提供を開始しました。従来の翌営業日入金や週次入金に加え、売上金を好きなタイミングで銀行口座に入金できるようになります。
手数料は入金金額の1.5%。急な出費や週末の資金繰りなど、すぐに現金が必要なシーンで活用できます。この記事では、『Square(スクエア)』の即時入金サービスの仕組みや手数料、使い方、注意点まで詳しく解説していきます。
『Square(スクエア)』が提供する即時入金サービスとは?
『Square(スクエア)』の即時入金サービスは、加盟店が必要なタイミングで『Square
(スクエア)』で決済した売上金を登録の銀行口座へ入金できる機能です。

これまで『Square(スクエア)』の売上は、三井住友銀行・みずほ銀行であれば翌営業日、その他の金融機関では週1回というスケジュールで入金されていました。即時入金サービスを利用することで、こうした入金スケジュールを待たずに売上金を受け取ることができます。
Squareデータ(管理画面)やSquare POSレジアプリから数タップで入金依頼を行うと、数分で登録した銀行口座へ入金されます。対応金融機関に制限はなく、どの銀行口座でも利用可能です。
年末年始やゴールデンウィークなど一部の連休期間を除き、土日祝日を含めて曜日を問わず売上金を即時に受け取ることができます。
『Square(スクエア)』の即時入金サービスの料金と上限額
『Square(スクエア)』の即時入金サービスは、入金金額に応じて1.5%の手数料がかかります。手数料は、振込時に入金金額から自動的に差し引かれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 入金金額の1.5% |
| 最低入金金額 | 5,000円 |
| 1日の上限額 | 新規:50,000円 既存:355,000円 |
| 利用回数 | 上限金額まで1日に何度でも可能 |
1日の上限額の区分である「新規」と「既存」は、『Square(スクエア)』の利用実績によって決まります。
| 区分 | 条件 |
|---|---|
| 新規 | 以下のいずれかに該当する場合 決済処理を行った日数が2日未満 決済成功回数が5回未満 初回決済から24時間未満 |
| 既存 | 以下のすべてを満たす場合 決済処理を行った日数が2日以上 決済成功回数が5回以上 初回決済から24時間以上経過 |
つまり、『Square(スクエア)』を使い始めたばかりの加盟店は「新規」扱いとなり、即時入金サービスの1日あたりの上限額は5万円に制限されます。
即時入金サービスの利用例
たとえば、
- 今日が初めての決済日
- 決済回数:3回
- 決済金額合計:80,000円
という場合、この加盟店は「新規」扱いとなるため、即時入金できる上限額は50,000円までです。
この50,000円を即時入金すると、手数料1.5%(750円)が差し引かれ、実際に入金される金額は49,250円となります。
その後、決済実績を重ねて「既存」扱いになると、1日あたり最大355,000円まで即時入金が可能になります。
『Square(スクエア)』の通常入金と即時入金サービスの違い
『Square(スクエア)』で決済した売上金は、通常、振込先の金融機関によって日次入金または週次入金のサイクルで入金されます。
「即時入金サービス」は、通常の入金とは別に、急ぎで現金が必要なときだけ使えるオプション機能です。
まずは、入金タイミングの違いを見てみましょう。
入金タイミング・サイクルの違い
| 入金方法 | 入金タイミング | 対象となる売上 |
|---|---|---|
| 即時入金サービス | 振込依頼後、数分以内※1 | 決済処理後すぐ |
| 通常入金(日次) | 翌営業日※2 | 当日0:00~23:59の売上 |
| 通常入金(週次) | 毎週金曜日※2 | 木曜0:00~翌週水曜23:59の売上 |
※2.振込予定日が金融機関の休業日にあたる場合は、翌営業日に入金されます。
「即時入金サービス」は、決済処理が完了した売上をすぐに振込依頼できます。年末年始やゴールデンウィークなど一部利用できない期間はあるものの、原則として土日祝を問わず、振込依頼から数分程度で入金されます。
通常入金の場合は、一定期間内の売上があらかじめ決められた日にまとめて入金されます。入金予定日が土日祝などの銀行休業日にあたる場合は、翌営業日に持ち越されます。
対応金融機関・手数料の違い
| 入金方法 | 対応金融機関 | 手数料 |
|---|---|---|
| 即時入金サービス | すべての金融機関 | 1.5% |
| 通常入金(日次) | 三井住友銀行・みずほ銀行 | 無料 |
| 通常入金(週次) | 三井住友銀行・みずほ銀行以外の金融機関 | 無料 |
日次入金を利用するにはメガバンク(三井住友銀行・みずほ銀行)の口座が必要です。新規事業主にとってメガバンクでの口座開設はハードルが高く、実際に『Square(スクエア)』加盟店の約70%は週次入金を利用しています。
即時入金サービスは、通常の入金サイクルとは別に、必要なときだけ利用できるオプション機能です。通常は手数料無料の入金サイクルを使いながら、「急ぎで現金が必要なときだけ即時入金を使う」といった柔軟な運用ができます。
入金額に対して1.5%の手数料はかかりますが、どの銀行口座でも即座に入金を受け取れるため、資金繰りに余裕を持たせられる点が大きなメリットです。
他社決済サービスとの入金スピードを比較
ここでは、主要な決済サービスと入金スピードを比較します。
| サービス | 最速の入金サイクル | 手数料 | 条件・補足 |
|---|---|---|---|
![]() Square (即時入金) | 即時 | 1.5% | 管理画面またはアプリから振込依頼 |
![]() Square (通常入金) | 翌営業日 | 無料 | 三井住友銀行/みずほ銀行 ※他行は週1回入金 |
![]() stera pack | 2営業日後 | 無料(三井住友銀行) 220円(他行) | 一部対象外業種あり |
![]() Airペイ | 月6回 | 無料 | 三井住友銀行/みずほ銀行/UFJ銀行 ※他行は月3回入金 |
![]() 楽天ペイ | 翌日 | 無料 | 楽天銀行のみ ※※他行は最短3日後・振込手数料330円 ※他行は管理画面から振込依頼が必要 |
![]() STORES 決済 | 1〜2営業日後 | 無料 ※10万円未満は200円 | 管理画面から振込依頼 |
他社の決済サービスにも入金スピードが早いものはありますが、あらかじめ入金サイクルを選択する必要があります。振込先の金融機関や入金額によっては手数料が発生したり、入金頻度が制限されたりします。
一方、『Square(スクエア)』の即時入金サービスは、通常の入金サイクルとは別に利用できるオプション機能です。
「普段は手数料無料の通常入金で運用し、急ぎで現金が必要なときだけ即時入金を使う」といった柔軟な使い分けができます。

「常に早い入金を選ばなければならない」のではなく、「必要なときだけ早くできる」という点が、他社サービスとの大きな違いと言えるでしょう。
また、振込依頼から通常は数分程度で着金するため、当日の売上をすぐに現金化できる点も大きな特徴です。入金サイクルを待つ必要がないため、資金繰りに余裕を持たせたい店舗にとって心強い仕組みといえます。
『Square(スクエア)』の即時入金サービスの使い方
即時入金サービスは、Squareデータ(ブラウザ上で利用する管理画面)とSquare POSレジアプリの両方から利用できます。
Square POSレジアプリからでも振込依頼ができるため、ブラウザで管理画面にログインする手間がなく、スムーズに手続きが可能です。
なお、即時入金サービスの利用にあたって、別途、申し込みは必要ありません。Squareアカウントを作成し、加盟店審査に通過していれば、誰でも利用できます。
Squareデータ(管理画面)からの操作手順


Square POSレジアプリからの操作手順




『Square(スクエア)』の即時入金サービスはこんな時に便利
即時入金サービスは、毎日使うものではなく、緊急時の資金調達手段として利用することを想定した機能です。想定される利用金額の目安は、1回あたり7万〜15万円程度です。
予期せぬ出費への対応

店舗設備が突然故障するなど、予定外の出費が発生することがあります。
たとえば、レジや発注管理に使っているiPad、電子レンジやオーブンといった小型調理機器が突然故障し、当日中に買い替えが必要になるケースも少なくありません。
こうした場面では、即時入金サービスを利用することで、通常の入金日を待たずに対応できます。
週末・祝日の資金繰り

日次入金を利用している加盟店でも、営業最終日と祝日が重なると、入金が翌営業日以降にずれ込むことがあります。
月末の売上を月内に入金したい場合などには、即時入金サービスを利用することで、柔軟に対応できます。
また、バーなどの夜間営業店舗では、営業時間外に急な支払いが必要になる場面もあるでしょう。即時入金サービスであれば、24時間いつでも入金指示ができるため、入金タイミングを気にせず資金を確保できます。
開業直後や資金繰りが不安定な時期

開業直後は売上が安定せず、資金繰りに不安を感じやすい時期です。即時入金サービスがあれば、「いざというときの選択肢」として、安心感を持って運用できます。
イベント出店時の急な支払い対応

マルシェやフードフェスなどのイベント出店時には、主催者への出店料や手数料を当日中に支払う必要があるケースもあります。売上金をその場で現金化できれば、支払い対応をスムーズに行えます。
『Square(スクエア)』の即時入金サービスの注意点
即時入金サービスは非常に便利ですが、利用前に知っておくべき制限や注意点もあります。ここでは、実際の運用でつまずきやすいポイントを整理して解説します。
入金額に対して1.5%の手数料がかかる
即時入金サービスを利用すると、入金額に対して1.5%の手数料がかかります。
通常入金(日次入金・週次入金)には手数料がかからないため、資金繰りに余裕がある場合は、即時入金サービスを使わず、通常の入金を待つことでコストを抑えられます。
入金金額を自由に指定することはできない
即時入金サービスでは、入金金額を任意で指定することはできません。入金可能な金額は、利用可能な残高と1日あたりの入金上限額をもとに、『Square(スクエア)』側で自動的に計算されます。
なお、即時入金サービスの上限を超えた売上については、通常の入金サイクル(日次・週次)で振り込まれます。
即時入金サービスが利用できない時間帯がある
即時入金サービスは24時間入金指示が可能ですが、すべての時間帯で即時に処理されるわけではありません。
| 時間帯 | メンテナンス時間 | 影響 |
|---|---|---|
| 平日 | 6:00〜8:30 | 振込依頼は可能/メンテナンス終了後に入金 |
| 週末 | 23:50〜翌0:12 | 振込依頼は可能/メンテナンス終了後に入金 |
| 年末年始 (12/31〜1/3) | 23:50〜翌3:52 | 利用不可 |
| GW (5/2〜5/6) | 23:50〜翌3:52 | 利用不可 |
メンテナンス中に入金指示を出した場合、処理はメンテナンス終了直後に開始されます。
受取銀行側のメンテナンスにより、着金後すぐに利用できない場合がある
即時入金サービスで送金処理が完了していても、受取銀行のメンテナンス状況によっては、すぐに資金を利用できない場合があります。
深夜帯や日曜日など、銀行システムの停止時間中は、ATMでの出金やインターネットバンキングの操作が制限されることがあります。
このように、即時入金サービスを利用していても、受取銀行側の利用時間やメンテナンス状況によっては、売上金をすぐに使えない場合があります。
送金に失敗した場合は再度振込依頼が必要
即時入金サービスでは、何らかの理由で振込処理が完了しなかった場合、自動で再送金されることはありません。送金が失敗した場合は、利用者自身であらためて振込依頼を行う必要があります。
なお、入金完了・保留・失敗といった各ステータスは、登録しているメールアドレス宛に通知されます。通知内容を確認のうえ、必要に応じて再度手続きを行いましょう。
まとめ
『Square(スクエア)』の即時入金サービスは、売上金を「振込日まで待つ」のではなく、必要なタイミングで自分で入金できる機能です。振込依頼から数分で着金するため、週末や急な出費など、すぐに現金が必要な場面で特に役立ちます。
一方で、手数料は入金金額の1.5%。毎回使う前提ではなく、普段は無料の通常入金(日次・週次)で運用しつつ、「どうしても現金がすぐに必要」という”ここぞ”のタイミングだけ即時入金を使うのが、もっとも無駄のない使い方です。
また、即時入金は原則いつでも利用できますが、定期メンテナンス中は処理が保留されたり、年末年始・GWの一部時間帯は利用できないことがあります。さらに、受取銀行側の利用時間によっては、着金していてもATMやネットバンキングが使えない時間帯がある点も把握しておくと安心です。
すでに『Square(スクエア)』を利用中の方は、SquareデータまたはSquare POSレジアプリの「お金」→「残高」 から、即時入金サービスを確認してみてください。











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